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2008年08月28日(木) 08時00分

石油元売り各社卸価格値下げ GSの競争も圧力産経新聞

 新日本石油やジャパンエナジーなど、元売り各社は9月のガソリン卸価格の値下げを発表し、原油価格に連動して高騰が続いた国内ガソリンの小売価格が、ようやく下げの局面に入った。

 ただ、ガソリン需要の急激な落ち込みにあえぐガソリンスタンド(GS)では、卸価格の引き下げを先取りした値下げ競争も加速している。新日石や出光興産は、卸価格の決定方法を変更し、より市況に連動した価格決定に変更する予定で、ガソリン価格は一段と値を下げる見通しだ。

 27日、会見した新日石の中村雅仁常務は「8月の値上げ分はほとんど価格に転嫁できなかった」と述べ、GSの値下げ競争の厳しさを訴えた。

 新日石は8月に5・1円、出光を除く他の元売り大手も6円程度の値上げを行ったが、小売価格は徐々に下落。店によっては「原油価格の下落を先取りして、10円以上値下げしているところもある」(元売り幹部)という。

 こうした卸価格と小売価格の乖離(かいり)を軽減するため、新日石や出光は10月から東京工業品取引所の先物価格などを基に、毎週、卸値を改定する手法に変更する。市況の変化を迅速に卸・小売価格に反映することが可能となる。

 ただ、年間を通じてガソリンの最需要期となる8月も、新日石のガソリン販売量は前年同月比15%減と大きく落ち込むなど、相次ぐ値上げで需要は低迷している。

 顧客囲い込みのためのGSの値下げ圧力は一層強まっており、原油相場の急騰がないかぎり、今後も値下げ傾向は続きそうだ。

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