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2008年08月28日(木) 02時30分

<首都・阪神高速>距離別料金導入は09年度以降に毎日新聞

 首都高速道路と阪神高速道路が今秋予定していた距離別料金の導入が、09年度以降にずれ込む見通しになった。燃料高が続く中、事実上の料金値上げになることに利用者の反発が強いためで、政府・与党が29日に決める総合経済対策にも導入延期が盛り込まれる見込みだ。

 距離別料金は、現在の均一料金(首都高東京線や阪神高速阪神東線で普通車700円など)を、近距離は引き下げ遠距離は引き上げるもの。首都高東京線と阪神高速阪神東線の場合、普通車で下限400円、上限1200円とする方針だったが、利用者から「事実上の大幅値上げ」と批判が出た。

 特に、燃料高で打撃を受けているトラック業界は長距離の利用が多いため、首都高で大型車の上限を2400円に引き上げるなどの案に「納得できない」(全日本トラック協会)と反発している。

 このため、首都高などは上限を引き下げる案を示したうえで、今年秋に距離別料金を導入する計画だった。国交省は08年度予算の高速料金値下げ分の一部を距離別料金の上限引き下げに使う考えだったが、この財源は総合経済対策に盛り込まれる高速料金の夜間割引拡大などに使われる見通しで、距離別料金の上限引き下げに使うのは難しくなった。

 また、与党内では衆院選や来年の東京都議選を意識して導入に慎重な声が多く、政府も当面は距離別料金を導入できる環境にないと判断した。

 一方、首都高と阪神高速の道路資産を持っている日本高速道路保有・債務返済機構の債務返済計画(45年間)は、距離別料金の08年度導入を前提に作られている。導入延期で首都高などの料金収入が減れば機構に支払う賃貸料も減り、債務返済原資が不足するため、返済計画は見直さざるを得なくなる。【位川一郎、太田圭介】

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