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2008年08月28日(木) 00時09分

<アフガン拉致>実家「何で。何で」 伊藤さん遺体確認毎日新聞

 「いやぁぁーっ」。「身元不明遺体発見」とのテロップがテレビで流れると、悲痛な叫び声が上がった。アフガニスタンで活動中に拉致された静岡県掛川市杉谷の伊藤和也さん(31)の実家では午後2時50分ごろ、悲鳴やおえつが屋外まで響いた。「何で。何で」「まだ分からん」「何でこんなことに……」。父正之さん(60)と母順子さん(55)は未確認情報が交錯するなか、実家で息子の無事を祈り続けた。

 正之さんは午後4時半ごろ、自宅近くで会見に応じ、「(和也さんは)向こうの国のために一生懸命やってきたのに、何でこういう結果になるのか。やりたいことの心半ばにも行っていないだろうに。本人も悔しいと思う」と肩を落とした。だが、この時点で外務省は現地で発見された遺体の身元を確認しておらず、「あきらめてはいない。家族としては当然だ」と気丈な面も見せた。

 夢だった途上国での農業指導。その途中、突然の拉致事件に遭った和也さん。犯人グループについて正之さんは「自分の国のため、一生懸命良い国にしようとやってきた人間に、本当にこんなことをするのか……」と絶望の表情も浮かべた。

 午後2時半ごろに正之さんを訪ねた戸塚進也・掛川市長によると、順子さんは26日夜にいったん「無事解放」との誤報があったため、大きく落胆していると聞いたという。【大西量、稲生陽】

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