記事登録
2008年08月28日(木) 16時07分

WSJ-マイクロソフトがIE8の提供開始、ファイヤーフォックスに対抗ダウ・ジョーンズ

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米マイクロソフト(Nasdaq:MSFT)は27日、インターネット閲覧ソフト(ブラウザー)「インターネットエクスプローラー(IE)」シリーズの最新版を公開した。新興の無償ブラウザー「ファイヤーフォックス」とシェア争いを演じるなか、同社は個人情報保護・セキュリティーの新機能を発表した。

この「IE8」試験版では、閲覧履歴やユーザーを識別するための「クッキー」など、データの保存・消去に関するユーザーの自由度を高めた。さらに、新たに盛り込まれた「アクセラレーター」という閲覧ツールでは、ウェブサイト中のテキストを反転表示させ、検索エンジンでの検索や翻訳、地図表示といったさまざまな機能をクリック操作で選択することができる。

今年に入り、マイクロソフトはウェブ開発者のテスト向けにIE8を公開していたが、この日リリースされたバージョンはすべての消費者がダウンロード可能。

アナリストらは、マイクロソフトが競争力を維持するためIEシリーズの更新は必要、とみる。同社はブラウザー市場のシェアで依然トップだが、IEの技術が最近では新鮮味を失い、米非営利法人(NPO)モジラ財団が開発したファイヤーフォックスが大きなライバルになっている、とする見方も多い。

調査会社ネットアプリケーションズによると、ブラウザー市場のシェアはIEシリーズが73%、ファイヤーフォックスが19%。つい4年前までマイクロソフトのシェアは91%を超えていたが、ここ数年でそのリードは縮まっている。ファイヤーフォックスに加えて米アップル(Nasdaq:AAPL)もライバルに浮上した。アップルではパソコン「マッキントッシュ」の好調な売り上げに伴いブラウザー「サファリ」の利用が拡大し、そのシェアは約6%となっている。

ファイヤーフォックスは、新バージョンが発表された6月に利用が急増した。新バージョンのダウンロード回数は、公開から24時間で800万回を突破した。

モジラのエンジニアリング担当副社長、マイク・シェーバー氏は、ファイヤーフォックスの速度を大幅に向上させる新たな改良に取り組んでいる、と述べた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080828-00000024-dwj-biz