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2008年08月27日(水) 16時30分

インフレ時代に低価格の「第3のビール」が人気 ビール大手各社は広告に注力MONEYzine

 ビール各社が割安な「第3のビール」の品揃えを強化している。キリンビールは26日、新商品「キリン ストロングセブン」を10月22日から全国発売すると発表した。アルコールを高めの7%にし、ハードな商品への嗜好ニーズに応える。

 世界的な原材料価格の高騰に起因する国内のインフレで、食料品は軒並み高騰、ビールも今年に入り一斉に値上げされ、今や「贅沢品」と捉える消費者も少ないない。そのような中、キリンの「のどごし」やアサヒの「クリアアサヒ」、サントリーの「金麦」などに代表される第3のビールは、コンビニエンスストアでは、350ミリ・リットル缶で140円前後と低価格に設定されている。ビールより約75円、発泡酒と比べても約20円ほど安く、消費者からの人気が高まっている。第3のビールが低価格を実現できる理由は、原料を麦芽以外にするなど、酒税法上「ビール」または「発泡酒」に属さない扱いとなっているからだ。

 ビール大手各社も業界活性化の牽引役として第3のビールに期待を寄せている。今年だけでもすでに3月にアサヒから「クリアアサヒ」、6月にはサッポロから「麦とホップ」が発売され、ビール大手5社がまとめた2008年7月のビール類の出荷数量では、前年同月比で、ビールが3.4%増、発泡酒は4.2%増と微増にとどまる中、第3のビールは35.9%増と大幅にアップしている。各社は、商機を逃すまいと各商品の発売にあわせて、新聞、ラジオ、交通広告、インターネットなどで大規模な展開を図っており、テレビでは人気タレントを起用したコマーシャルを大量に流している。今後、ビール業界は第3のビールのヒット商品を出すべく、いっそう競争が激しくなっていきそうだ。

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