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2008年08月26日(火) 18時16分

【共犯尋問(9)】大義に共鳴? 満井被告の指示で顛末書“改竄”産経新聞

 《検察側は、東京都内の弁護士との交渉についての河江浩司被告にさらに詳しく聞く》

 検察官「弁護士が帰った後、緒方被告は?」
 河江証人「『このまま任せておいたのでは間に合わない。私のほうで契約書を作って弁護士にファクスしておく』と言われました」

 検察官「契約書の内容は?」
 河江証人「投資家が確定すれば、契約日と金額を書き足せばいいようにしたものです」

 検察官「満井被告はどうでしたか」
 河江証人「『それでお願いします』と言っていたと思います」

 検察官「その後、報酬として残りの5000万円を受け取りましたね」
 河江証人「はい」

 検察官「4月26日に満井被告から受け取った5000万円ですが、そのときまでにいくら使いましたか」
 河江証人「200万円ぐらい使いました」

 検察官「5月24日に東急田園都市線の用賀駅前の喫茶店で弁護士のグループと会いましたね」
 河江証人「はい」

 検察官「どんな話でしたか」
 河江証人「うち1人から『私の知っている投資家からは、北朝鮮の案件ということで、最終的に断られました』と言われました」

 検察官「満井被告には報告を」
 河江証人「電話でしました。『それはまずい。大変なことだ』と」

 検察官「それで?」
 河江証人「『ほかにこの話のできる人はいませんか』というので、『1人、海外に資産を運用している人がいます』と」

 検察官「それは誰ですか」
 河江証人「(航空ベンチャー会社社長の)Aさんです」

 《その後、河江被告は満井被告の会社事務所で、満井被告や緒方被告と相談。総連側には「弁護士グループに土壇場でキャンセルされたこと」「Aさんが現れ、投資に対して積極的だ」と報告することを決める》

 検察官「指示は緒方被告からですか」
 河江証人「はい。緒方さんからは(朝鮮総連側の弁護士の)土屋弁護士への電話報告でいいという話でしたが、満井さんが『やっぱり顛末書を作ってファクスをしたほうがいい』というので、私がパソコンで文書を作ることになりました」

 検察官「完成したものは満井被告に見せましたか」
 河江証人「はい」

 検察官「指示は?」
 河江証人「加筆修正するように指示を受けました」

 検察官「顛末書の修正後は?」
 河江証人「緒方さんの自宅にファクスをして、緒方さんからさらに加筆修正するよう指示を受けました」

 検察官「どんな修正ですか」
 河江証人「最終行に『自分の予定をキャンセルしてでも、Aさんに会う』という趣旨のことを加えました」

 検察官「緒方被告は(Aさんと面会した)5月26日は予定があるという話でしたが、結局、Aさんに会うことにしたんですね」
 河江証人「はい」

 検察官「その後は?」
 河江証人「もう一度、緒方さんの自宅にファクスした後、土屋弁護士の自宅にファクスしました」

 《ここで検察側は、ファクスの受信時間が印字された2種類の顛末書を示す。1枚の受信時刻は「18:34」。もう1枚は「20:01」となっている》

 検察官「いずれも緒方被告の自宅から押収したものですが、あなたがファクスした顛末書に間違いありませんね」
 河江証人「間違いありません」

 検察官「18時34分のものには、末尾に緒方被告が付け加えた『予定キャンセル』の部分はありませんが、20時01分のものには足されていますね」
 河江証人「はい」

 検察官「1枚目は満井被告に見せた後、加筆修正して送ったものですね」
 河江証人「はい」

 検察官「満井被告が修正した場所はどこですか」
 河江証人「まずは宛名の部分で、『土屋弁護士殿』となっていたのを『関係者各位殿』に訂正しなさいと言われました」

 検察官「ほかには?」
 河江証人「3番目の『世界的に投資を行っている』の『世界的に』を足したのと。その次の行の『大義に共鳴して』を加えたのと…」

 河江証人「あとは次のページの『以上、本日までの顛末です』から日付までの全文を書き足しました」

=(10)に続く

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