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2008年08月26日(火) 08時26分

米粉利用広がる 小麦粉と価格差縮小 自給率改善に期待フジサンケイ ビジネスアイ

 米粉を使った商品がコンビニエンスストアや外食チェーンに続々登場している。米粉は小麦粉価格の2、3倍していたが、輸入小麦の大幅な値上がりで価格差が縮小し、利用範囲が広がってきたためだ。米粉の利用は食糧自給率の上昇にもつながることから、農林水産省が支援を検討するなど、さらに利用が拡大しそうだ。

 米粉やきなこを製造するみたけ食品工業(埼玉県戸田市)は、薄力粉の代わりに料理や製菓に利用できる「米粉パウダー」を1日に発売した。これまで業務用米粉は多く販売されているが、家庭用の商品化は珍しい。価格は300グラムで252円と薄力粉に比べて割高だがダマにならないほか、小麦粉アレルギー対策など、米粉ならではの特徴で消費者にアピールする。流通関係者からも「評判がいい」(企画室)ことから、近く大手スーパーなどの店頭に並ぶ予定という。

 米粉を専門に製粉する群馬製粉(群馬県渋川市)が開発した、米粉100%の麺「J麺」は、都内のスパゲティ店やラーメン店で使用されているという。また、コンビニチェーンのスリーエフは「おいでまっし 能登 加賀」キャンペーンの一環として、J麺を使ったパスタを9月3日に発売する。同キャンペーンでは、米粉を使ったロールケーキも販売する計画だ。

 7月に関東地域で米粉を100%主原料にしたパンを発売したローソンは、「米粉パンの効果で、パン全体の売り上げも前年を上回った」という。9月には商品数を1つ増やし、全国販売を開始する。

 輸入小麦は10月に値上げが検討されており、小麦粉の値上がりで米粉との価格差はさらに縮小するとみられる。

 農水省の試算では、1人が1日に食べる小麦粉を使った食事のうち7グラム(ロールパン5分の1個に相当)を米粉原料の食品に切り替えることで、食糧自給率が1%上昇するという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080826-00000015-fsi-ind