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2008年08月26日(火) 13時12分

「大谷芳照が訳したスヌーピーの世界展」金沢21世紀美術館オーマイニュース

 今、水槽の下に見える人影が有名な石川県金沢市の金沢21世紀美術館で「大谷芳照が訳したスヌーピーの世界展」が31日までの会期で行われている。

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 スヌーピーは誰もが知る世界のキャラクターである。何とも言えぬのんびりした温かみが心を癒やしてくれ、その商標は原作のマンガをはるかに超えて、アイドルとして衣服、文房具、バッグなど広く使われ親しまれている。

 今回の展示ではマンガの原作者チャールズ・M・シュルツと親交のあった大谷が、ポスター原画やインテリアリアデザインを共同制作した作品と共に、毛筆の白黒で和紙に描いた絵が出展されている。彼の日本人の感性を表したものとしてとても興味深い。

 数コマの原画の横にその内容を表す、大谷の描いた1枚の絵を置く展示となっており、原画から取り出した絵が、毛筆の漢字や文の中で鮮やかなインパクトを与える。それは躍動感を与える、新しい時代の俳画と言ってもよいだろう。今、教育者たちが日本の学生を評すときに、

 「文章を書くのは苦手だが、1枚の紙にイラストを添えてまとめるのがうまい」

と語るとどこかで聞いたが、案外、そうした俳画の伝統が大谷のみならず、今の若者の中にマンガ文化と共に浸透しているのかもしれない。

 私が訪れた21日は、偶然にも作者がいる日と言うことで1000円で買ったポスターの横にサインを入れてもらった。大変ラッキー。しかもこの展示を中日新聞が後援しているということで入場料の1000円も招待券である。中日新聞を購入している方はぜひ販売店に聞かれるといいのではないだろうか。私のような幸運に恵まれることもあるかもしれない。新しいスヌーピーの世界を見せてくれた、大谷の作品の数々に触れ、心が豊かになった1日であった。

(写真は作品を入れて販売するメモ帳から。実際の作品は大きく筆の跡も力強いです)

(記者:曽野 千鶴子)

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