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2008年08月26日(火) 12時24分

上海市遊覧リポート(上)オーマイニュース

 住み慣れた大連から上海に引っ越して半年が過ぎた。

 2008年2月18日、浦東空港から上海市内に向かうバスの中で、迎えに来た友人に対して何度も発した言葉は、「上海の街って汚いね」という感想。この失望感溢れる第一印象は、自分でも意外なほどだった。



 街全体に漂っていると思える、においの元は何だろうか。露店販売されている上海名物の臭豆腐と排気ガスが混合したもののように感じる。

 思い起こせば大連は、市内中心部に高架道路が設置されていないためか、上海に比べると、空が高かった。周囲を海に囲まれ、街の中は坂道が多かった。場所によっては風が強い日など、潮風の匂いを感じることもあった。

 また、交通手段はタクシーかバスだった。「中国と聞けば自転車」というイメージもあった私にとって、大連の人々から、「自転車は乗ったことがありません」などと言われ、見ると聞くとじゃ大違い、と驚いた記憶がある。

 上海の人々の交通手段は、タクシー、地下鉄、自転車、バイクだ。歩道ですら速度を出して走りぬけるバイクのクラクションや、自転車の錆びたブレーキ音は耳障りで、半年を過ぎた今でも慣れない。

 立ち並ぶデパートなどの街並みも物珍しさはなく、東京とさほど変わらないと感じるほど人の数も多い。

 上海で生まれ育ったという40、50代の人々からは、「最近の街並みは、美しいとは言えない」。「たくさんの日本人が上海に来るが、金持ちの上海人が1度は行きたいと話している場所は、風光明媚な街として有名な大連という都市です」という意見も耳にした。

 高架道路も張り巡らされ、大通りなどは特に空の低さを感じる。また街頭や車のライトの影響か、午前2時を過ぎても上海の空はほんのりと明るい。

 私が居住している上海市北部では、騒音とともに軍の飛行機が低空飛行する様も度々目にする。

  ◇

 大連から移り住んだ私が感じた2都市の違いは、街全体のにおいのほかに、バスやタクシーに限らず、走る車の多くが、上海では新車のように綺麗だということ。

 行き先案内の所に、「空調」と表示されたバスが多く、初めて見た時は空調という地名があるのかと勘違いしたが、単に冷房がオン状態であることの表示だと後から知った。

 インターネットの掲示板で、しばしば中国を語る時に話題に出てくる、ドアのない公衆トイレも、市内最大の服飾市場である七浦路界隈で発見した。それも中国に来て初めての経験だった。

 その他、3階建てほどの建物の建設現場で目にする竹製の足場や、繁華街に来ると途端に一見、ゴミ1つ落ちていないように見える光景の中に、ゴミ箱からゴミを集める人たちの存在があることにも驚いた。

 また、外資のカフェの看板が、漢字表記ではなくそのまま英語表記されていることについても、「直轄市の街づくりのシステムは他の都市とは違うなぁ」と感じた。

 生活の中で便利だなと思うのは、日本人向けに発行されている無料情報誌が数多くあること。

 上海という街全体の雰囲気に対する第1印象は、半年が経つ今でもさほど大きな変化はない。そんな上海で、4月から7月の期間、いくつかの観光地を巡った。フォト記事で紹介します。

【資料】 七浦路 ( http://www.17u.com/destination/scenery_9861.html?
チープールーという読み方は英語のcheapから付けられたとも言われているほど安物揃い。外国人だと分かると高値を吹っかけてくるが、何度か値下げ交渉をしてダメな時は粘らず、他店に行く素振りを見せると途端に強気な態度も一変し、電卓を手に追いかけてくる店員もいる。人が溢れているのでスリに注意。大連の勝利広場もスリのメッカと言われるが、それ以上の注意が必要。

(下につづく)

(記者:長島 美津子)

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