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2008年08月26日(火) 12時01分

立体印刷技術:自作イラストを3DにしてくれるサービスWIRED VISION

こんなものを組み立てたら実にクールだというアイデアはあるのに、実際にそれを組み立てる手段がない、という経験はないだろうか。あるいは、持っていたら格好いいと思えるようなオモチャやアート作品をデザインしたのに、プラスチックを成型したり立体的に加工したりするのに十分な技術がない、ということはなかっただろうか。

そんな経験がある人には、『Shapeways』がお勧めだ。Shapewaysは、(一定の制限内なら、)好きなデザインを作ると、デザインをプラスチックで立体に加工して送り届けてくれる。

こういったことが好きな人々の例にもれず、私は初めてこの話を耳にして以来、この立体印刷技術を試してみたくてたまらなかった。そんなとき、米Shapeways社が自分たちのサービスを試してみないかと連絡をくれたことで、実際に試してみるチャンスが訪れた。

私は自分のデザイン・センスは最高だと思っているのだが、ソフトウェアや芸術的な立体デザインに関しては、悲しいほど能力が不足している。だが、Shapeways社が親切にも私のためにデザインを作ってくれたので、私はそれを同社のサイトにアップロードして注文した。

作品はおよそ2週間後に届いたのだが、実にクールな出来栄えだ(写真の25セント硬貨と比べれば、その大きさがわかる。内部の文字は「Shapeways」で、その下は「Matt Blum @ Wired」となっている)。

Shapeways社のウェブサイトでは、他の人たちがデザインしたものを見ることもできる。また、自分のデザインを公開するかどうかや、自分のデザインを他の人がコピーして改良するのを認めるかどうかを設定できる。

デザインは、市販されている主要なデザイン用ソフトウェアで作ったものならほとんどがアップロードできるほか、同サイトでは『Creator』というツールをオンラインで提供している。このツールを使うと、『Light Poem』と呼ばれる素敵な発想の作品[文字を組み合わせて「詩でできた灯り」を作るもの]などを作ることができる。今のところ作れるのはこれだけだが、いずれはもっと自由度の高い制作が可能となる予定だ。

他のユーザーが作ったデザインにはセンスの良いものがあり、なかにはこれでパズルを作っている人もいる。

ただ、ワイアードの子育て関連ブログ『GeekDad』的には残念なことだが、同社が現在使用しているプラスチックは、有害な成分が含まれていないことが保証されたものではないため、小さい子ども向けのおもちゃとしては使えない。まだおもちゃを口にしてしまうような小さい子どもたちには、遊ばせないよう注意してほしい。同社によれば、安全性が証明された素材を間もなく採用する計画だという。

また、このサービスの価格は驚くほど高いわけではないが、手ごろな額だとも言えない。Shapeways社がこのサービスで収益をあげる必要があることはもちろん理解するが、そこそこ複雑なデザインが100ドルほどもかかるとしたら(私が試したものもおそらくそれくらいだ)、実際に注文する人はどの程度いるのだろうか。

とはいえ、このサービスがクールであることは間違いない。デザイン・センスのある人たちは一度試してみることをお勧めする。

また、デザイン・センスがあろうとなかろうと、Shapewaysのウェブサイトで他の人のデザインを眺めてみるといい。財布に余裕があるなら、どれか1つ買って部屋の棚に置けば、素敵な飾りになるだろう。

[コンピューター画面やCAD/CAMシステムから直接3Dモデルを生み出す積層造形法(ラピッド・プロトタイピング:RP)についての日本語版記事はこちら。「空中に描いたドローイング」から家具を1日で作成するサービスについての日本語版記事はこちら]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080826-00000001-wvn-sci