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2008年08月23日(土) 15時01分

<弁護士>業務妨害被害、12年で49件…日弁連が独自調査毎日新聞

 弁護士業務を巡り、弁護士や事務員が脅迫や暴行などの被害を受ける事案が94年7月〜07年3月、全国で少なくとも49件起きたことが、日本弁護士連合会の調査で分かった。法律事務所の窓ガラスを割られたり、事務所に強盗が入ったとの虚偽の通報で業務を妨害されたケースもあった。

 日弁連の「弁護士業務妨害対策委員会」が各弁護士会へ尋ねて集計。49件のうち26件が、暴行や事務所への発砲、殺人事件など直接、危害を加えられたケースだった。弁護士が依頼者に刺され死亡(96年、東京都)▽弁護を担当した元被告になたで切られ、事務員らが大けが(98年、福岡県)▽宅配便で届いた段ボール箱が爆発し、弁護士らがけが(00年、東京都)▽事務員が金づちで殴られ大けが(07年、兵庫県)−−など生命にかかわる事件もあった。

 他に脅迫・恐喝は12件。頼みもしないピザやすしを届けられたり、街宣車で中傷されるなどの名誉・信用棄損行為は11件あった。

 加害者が判明している41件中、依頼者が加害者だったのは7件で、34件は訴訟の相手方だった。離婚やドメスティックバイオレンス(配偶者間の暴力)事案で依頼者の夫らの逆恨みから事件になるケースが目立つという。

 同委員会副委員長の奥田直之弁護士(大阪弁護士会)は「完全な対策は難しい。刑事弁護の必要性など弁護士業務を正しく理解してもらうよう法曹界全体の取り組みも大切」と話した。【川辺康広】

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