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2008年08月22日(金) 12時00分

世界最大の粒子加速器『LHC』の内部:画像ギャラリーWIRED VISION

8月9日(スイス時間)、欧州原子核共同研究機関(CERN)の『大型ハドロン衝突型加速器』(LHC)が試運転を開始した。本格稼働すれば、世界最大の加速器となる見込みだ。

LHCは複数の領域に分かれており、その1つにビームを入射することで試運転が始まった。

フェルミ国立加速器研究所の広報を務めるJudy Jackson氏は、『Popular Mechanics』に対し、「いまは、『何が起きるか見てみよう』という段階だ」と説明している。「このマシンはとても複雑だ。これも準備の1段階になる」

9月10日には、最大出力のビームが、全周約27キロメートルに及ぶすべてのトンネルを駆け抜ける予定だ。そのスピードは最高で光速の99.99%に達する。すべてうまくいけば、10月中に最初の科学実験が開始される予定だ。

試運転のビームは、稼働後に比べると大したエネルギーではない。それでも、世界最大の加速器にとっては重要な意味を持つ。

LHCは、約80億ドルの費用と12年の歳月をかけて建設された。ようやく、本当に機能するかどうかを確かめることができるのだ。無事に稼働した暁には、質量の性質や暗黒物質、宇宙の誕生といった極めて重要な疑問の答えを出すために利用できると期待されている。

[以下は、LHCが建設されていく過程で撮影した画像シリーズ]

LHC最大の検出器
『ATLAS』実験の検出器は、長さ約45メートル、高さ25メートルに達する予定で、LHCの中でも最も大きい。実験では、暗黒物質やヒッグス粒子の検出、さらには新しい物理理論の発見を目指す。(2)はこちら
Photo: John Borland

WIRED NEWS 原文(English)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080822-00000004-wvn-sci