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2008年08月22日(金) 12時23分

『iPhone』ユーザーが Apple を告訴、通信事業者にも波及かjapan.internet.com

Apple 製スマートフォン『iPhone』のユーザーが、期待したほどの接続性を実現していないとして、Apple を訴えている。業界観測筋によれば、これは携帯機器ユーザーの不満が高まっていることを示すものだという。

ある消費者権利擁護団体は、こうした不満の標的が Apple にとどまらず、今後は移動体通信事業者を相手取った訴訟が増えるのではとの見方を示した。

報道によると、アラスカ州バーミンガムの法律事務所 Trimmier Law Firm は20日、アラバマ州に住む Jessica Alena Smith 氏の依頼を受けて Apple を告訴した。被告は Apple だけだ。Smith 氏の訴えによると、先月華々しく登場した新型の『iPhone 3G』は、約束通りの性能を持たず、ネットワーク接続性は期待にそぐわないものだという。

非営利の消費者団体 Consumer Union の政策アナリスト Joel Kelsey 氏は取材に対し、これまで以上に先進的な機器における問題に対し、ユーザーの不満が高まっているため、移動体通信事業者も同様の訴訟を受ける可能性があると指摘した。

Kelsey 氏は、移動体通信事業者の課す解約料に対するユーザーの憤りが、移動体通信業界にとって重い判決につながった事例を挙げ、「移動体通信事業者に対し、ユーザーは非常に強い不満を抱いており、これらの訴訟はその不満が噴出した結果だ」と語った。

カリフォルニア州の連邦裁判所は先月、通信事業者の Sprint Nextel に対し、解約にあたって徴収した料金が州法に抵触するとして、徴収済みの解約料を元顧客らに返還するよう命じた。報道によると、Sprint Nextel は1800万ドル以上を支払うことになる見通しだ。Verizon Wireless も同様の訴えを受け、判決を待たず和解に至った。

Kelsey 氏は次のように語る。「移動体通信事業者は、携帯機器の市場に対し強大な支配力を持っており、メーカーへの影響力も最も大きい。携帯電話業界には基準がなく、通信事業者は強い市場支配力を持つため、機器が約束通りの性能を確実に発揮するようにしようという動機に欠ける」

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