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2008年08月21日(木) 08時27分

値上げ、耐久消費財にも 三菱、冷蔵庫3〜5%…他社も検討 家計圧迫、新たな要因 フジサンケイ ビジネスアイ

 原材料高の影響が食料品や生活用品にとどまらず、エアコンや冷蔵庫などの耐久消費財にも波及してきた。三菱電機は20日、今秋発売する冷蔵庫の新商品=写真=の価格を前年モデルより3〜5%値上げすると発表した。エアコンや自動車などでも価格引き上げの動きが出始めており、家計の新たな圧迫要因になりそうだ。

 値上げの原因は、原材料である鉄や樹脂などの価格の高騰。三菱電機によると、容量400リットル前後の冷蔵庫の場合、製品重量約80キログラムのうち鉄を約40キログラム、樹脂を約30キログラム使用する。

 樹脂の価格は原油高の影響を受け、冷蔵庫に多く使われるABS樹脂が1キログラムあたり5年前の165円から240円に上昇。同様に鉄は1トンあたり、5年前の4万7000円から、約2倍の9万5000円に値上がりし、追加の値上げも検討されている状況だ。

 三菱電機家電事業部の田代正登部長は「部品数を減らすなど生産効率を改善しても素材の高騰をカバーしきれない。売り上げは落ちるかもしれないが、機能やデザインを高めて高付加価値商品として消費者にアピールしていく」と話す。

 東芝ホームアプライアンス、日立アプライアンスなども冷蔵庫の値上げを検討しており、今後、値上げが相次ぐことになりそうだ。

 冷蔵庫以外では、エアコンも値上げの方向だ。三菱電機が今秋発売する業務用と家庭用の新製品を10%前後値上げすることで調整しているほか、日立アプライアンスも値上げの方針を固めている。

 エアコンの場合、使用量が多い銅の価格が3年前に比べ、約2・5倍の水準に高止まりしていることが背景にある。

 家電各社は原材料価格の高騰による業績への影響を、製品価格の値上げを通じできるだけ少なくしたい意向だが、それにも限界があるのが実情。今年度の原材料高による生産コスト増を日立製作所が600億、三菱電機が360億円とそれぞれ試算している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080821-00000014-fsi-ind