記事登録
2008年08月21日(木) 16時32分

【出会いカフェ】実体験!女性客集めのカラクリツカサネット新聞

出会い系サイトなどのいわゆる“男女の出会い”を売りにした商売は多々あるが、知らない人間同士である故にトラブルや犯罪が起きることもある。

「出会い系」被害、4割減=フィルタリング普及で−別サイトに分散も・警察庁

出会い系サイトの犯罪は減っても、出会い絡みの商売は流行っては廃れ、形を変えて存在している。それだけ需要があるということだろう。

ある日筆者は、副業を探していた。ちょっとした時間でお小遣い稼ぎ出来る、短期アルバイトが良い。駅やスーパーなどに置いてある、無料求人誌を見ていると、目ぼしい求人を発見。

・登録制で一回限りでもOK。
・時給1000円〜 時間応相談、2時間〜

勤務地(登録地?)は家からわりと近く好都合だ。早速電話すると、担当者に「明日、(掲載している会社そばの繁華街にある)ファーストフード店前に来てください」と言われた。

会社ではなく、店の前? その店で面接をするのだろうか。一つ気になったことがあった。求人誌に掲載されている所在地は、途中までしか書いていない。何号何番地というところが抜けているのだ。

ま、印刷の間違いかもしれないし、とりあえず話だけでも聞いてみようと思い、指定された場所へ向かった。

待ち合わせ場所に着いたら、「店に電話をください」と言われていたので、電話をかける。店?登録制アルバイトの会社ではないのだろうか。

数分後に20代であろう、担当者の男性が現れた。茶色に染めたパサパサの髪、白いシャツに黒いベストとズボン。水商売の店のボーイのような見た目だ。

目前のファーストフード店には入らず、彼の誘導のもと、店へと向かう。
その店は、待ち合わせ場所から徒歩数分の所にあった。繁華街のビルの一室で、エレベーターに乗っていく。

店に着いた。ここで待っていてと言われ、オープン型マンガ喫茶のような場所に座らされて待つ。周りには若い女の子がたくさんいて、マンガを読んだりお菓子を食べたりしている。

担当者の服装、この店の雰囲気。そして入り口には『女性無料マンガ喫茶』の看板が。もしかして、これは……出会いカフェってやつ?

あれ、ティッシュ配りアルバイトの面接に来たんじゃなかったけ? 不思議に思いながらも担当者を待ち、その後別室で面接。2人用位に小さく仕切られた個室風の場所へ。ソファとテーブルがある。やっぱり!? 約束どおり履歴書を提出した。

「ふーん、先月からこっちに住んでるの?」

彼は大して興味はなさそうに全体をザッと見て言うと、ティッシュ配りについて簡単に説明した。一回きりのアルバイトとのこと。「時間ある?」と聞かれ、今日二時間配っていくとその場で二千円渡すと言われた。

当日は後の予定がなかったので、やることにした。店名が書かれたジャンパーを借り、店から歩いて数分の交差点で配る。若い女性に配ってくれとのことなので、該当する人に配った。同じ日に面接に来たらしい女の子二人と一緒だった。かなり若く見えたので年を聞くと、共に16才だという。

指定された時間まで配ると、担当者が迎えに来たので、店へ戻る。二千円を受け取り、帰ろうとすると話があると言う。「今度は友達も連れてきて」。よく分からずにいると、彼は店のシステムを説明し始めた。

・女性は出入り自由、全て無料
・マンガや雑誌は読み放題、置いてある飲み物やお菓子も自由に飲食してよい。ネイルやデコ電(携帯電話をキラキラしたシールなどで飾り付けること)もできる。
・その代わり、男性客が来たら話をすること。外出デートをすると交通費が貰える。

やはり、出会いカフェだった。
はじめに待たされた場所には、たくさんの女性がいた。男性の姿は見えないが、別室にいるらしい。女性たちは一日に何度も出入りして、交通費で稼ぐ者もいるらしい。女性がいる部屋はマジックミラーになっており、男性の部屋から丸見え。

どうりで真夏でもないのに、超ミニスカートや胸元の大きく開いた服を着ている、露出の激しい女性が多いわけだ。まずは見た目で誘惑し、男性に選んでもらうというつもりか。

まとめてみると、ティッシュ配布のアルバイト広告を出す→面接に来た女性(私だ)をその場で勧誘し、友達を誘うよう言う。更にティッシュを配って広告する。

以前から不思議に思っていた、出会いカフェの「どうやって女性客を集めるのだろう?」というカラクリが解けた。こうして客が客を呼ぶシステムが出来上がっている。



※1 出会いカフェ
出会い喫茶とも呼ばれる。女性客は無料でドリンクやお菓子、マンガを読むなどの利用ができて、男性客は入場料やトーク料を払うことで女性客と話せる。
「店を出たら自由恋愛」と店側は謳っているが、援助交際の場として使われることもある。



(記者:北苺)

■関連記事
北苺記者の書いた他の記事
「社会・社会問題」カテゴリー関連記事

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080821-00000015-tsuka-soci