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2008年08月21日(木) 16時16分

オリンピックに見るビジネスチャンスツカサネット新聞

連日熱戦が展開されている北京オリンピック。
最近では純粋なスポーツ大会というよりも、むしろ商業的な意味合いが強くなり甘い蜜を求めて多くの企業がチャンスを逃すまいとする、いわゆるビジネス化の傾向が顕著に表れてしまっている。大会をサポートするスポンサーには錚々たる名前が顔を揃え、職種こそ知らなくとも聞いたことのない企業名を探すほうが難しい。

それでも企業側からすれば、自身の看板を世界により好印象を持って広めることができるかどうかは一種のギャンブルである。

確かに契約料を払って選手などに名前の入った用具を着てもらう、それだけで名前は世界中に流れるわけだから、他の媒体を使って宣伝するよりはよっぽど効果は期待できる。そして男子100m決勝において世界新記録で優勝したボルトのように、勝利後のパフォーマンスで金色に光ったシューズを手に笑顔を見せてくれようものなら、その効果は計り知れないものであろう。

ただ逆に、例えば男子110m障害の劉翔のように全中国の期待を一身に背負いながら一度も走ることなく棄権しようものなら、効果どころか宣伝費をどぶに捨てるような事態にも陥りかねない。

今回のオリンピックで最も有名になった企業名やブランド名は、スピード社のレーザーレーサーであろう。

大会前から話題を独占し、日本人選手も直前になって切り替えたことは記憶に新しい。切り替えられた企業からすると失敗ではないにしても、成功を得られなかった烙印を押されたことに間違いはなく、当然今後の売り上げにも直結するであろうし、追いつくのではなく追い越すための企業努力が必要になってくるであろう。

ではスピード社が今後の水着メーカーの先頭を当分走るのかといえば、そうでもない。
これは日本での話だが、それまで上昇を続けていたスピード社の株価がある日を境に下がり続けているのだ。そのある日とは、北島選手が世界新記録で100m平泳ぎに優勝した日である。ここがピークと読んだ株主達が利益を確定させるために一斉に売りに出したことで株価が下がったのである。株を知らなければ「これでさらに上がるだろう」とも思うのだが、ビジネスとは難しいものである。

最後に、体操個人総合で銀メダルを獲得した内村選手はかなりの偏食家であり、野菜は一切食べないという。そして大のチョコ好きであり、お気に入りのチョコを北京にも持参して競技に臨んだらしい。体が資本のスポーツ界でも稀な存在だと思うのだが、そのチョコを製造する企業には現在、注文や増量の電話が絶えないらしい。前年と比較すると307%増の注文数であり、「増量生産は人員的に無理」と内村選手に感謝しつつも嬉しい悲鳴を上げている。

チャンスはどこに転がっているか分からないものである。


(記者:adios7210)

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