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2008年08月21日(木) 00時00分

インテル、「Atom」の9月発売を計画--「Nehalem」の新機能も明らかに読売新聞

 サンフランシスコ発--米国時間8月19日、当地で開催されている「Intel Developer Forum」(IDF)で、Intelが9月に同社初となるデュアルコア「Atom」の出荷を計画していることが明らかになった。

 この電力効率の高いモバイルプロセッサがターゲットにするのは、ネットトップと呼ばれるAtom搭載デスクトップだ。

 この情報は、IntelのシニアバイスプレジデントであるPat Gelsinger氏によるIDFでの基調講演で明らかになった。この基調講演には、Intelが第4四半期の出荷開始を予定している「Nehalem」に関するより具体的な情報も含まれていた。Intelのデジタルエンタープライズグループのゼネラルマネージャーも務めるGelsinger氏は、8コアプロセッサが集積された初のウエハを披露し、Nehalemプロセッサの省電力機能を詳しく説明して、Nehalemが未来のモバイルプロセッサであることを裏付けた。

 また9月には、Intelの45ナノメートル「Penryn」ファミリーの最後になる6コア「Dunnington」サーバプロセッサのリリースが予定されており、Gelsinger氏は、顧客への出荷は9月中に行われる見通しだと述べた。

 Gelsinger氏の基調講演の大半はNehalemが中心で、IntelがIDFで強く推した機能の1つに「Turbo Mode」と呼ばれるテクノロジがあった。

 Turbo Modeは基本的に、使われていないプロセッサコアをオフにし、残りの動作中のコアをより効率的に使うスイッチだ。Gelsinger氏によれば、この種の高度な電力管理テクノロジがNehalemベースのノートPCとサーバの両方に使われることになる。2009年出荷予定の8コアNehalemプロセッサのように、Intelがチップに搭載するコアの数を増やせば、このようなテクノロジはますます必要になってくる。

 つまり、マルチコアプロセッサでは、あまり動作していないコアでも電力を消費するということだ。よって、例えば、4基のコアを非効率的に使うよりも、2基のコアをもっと効率的に使った方がよい。

 Gelsinger氏の基調講演で講演したIntelフェローのRajesh Kumar氏は、Turbo Modeは、「電力管理専用の統合マイクロコントローラである電力管理ユニット」によって実現されており、約100万個のトランジスタが電源管理専用に使われていると述べた。

 Gelsinger氏は基調講演後のインタビューで、「Turbo Modeでは、OSによる介入は不要だ。すべてハードウェアによって検出、管理される。使われていないコアを検出した場合、電力をほかのコアに再配分できる」と述べた。

 さらに、Intelは初の8コアNehalemチップを披露した。Gelsinger氏は基調講演で、「今回が8コア『Nehalem-EX』の初披露になる」と述べた。チップはモノリシック設計で、8基のコアすべてが1枚のシリコンに搭載されている。

 「Nehalem Efficient Performance」(Nehalem-EP)は、メインストリームサーバおよびワークステーション向けのクアッドコアチップだ。Gelsinger氏によれば、Intelでは昔から2ソケットサーバと呼ばれているという。

 将来、デスクトップの主流になるのは「Intel Core i7」だ。「i7には、ハイエンドデスクトップ版とエクストリーム版がある」とGelsinger氏は述べた。エクストリーム版はオーバークロッカー向けだという。熱狂的なゲーマーはしばしば、プロセッサをオーバークロックして(クロック速度を定格速度以上に上げて)、さらにパフォーマンスを引き出そうとする。

 なお、Nehalemにはより一般的なデュアルコア版も用意される。「デスクトップ向けにはデュアルコア版も用意される」とGelsinger氏は述べた。

 また、Gelsinger氏は、プロセッサと同じシリコンチップにグラフィックスを直接搭載するIntelの計画についても語った。Intelにとって初の試みだ。

 Gelsinger氏は、Intelがプロセッサのすぐ隣にグラフィックスを搭載しようとする理由について、「CPU周辺に何でも集められる傾向がある。CPUはあらゆるものをそばに引き寄せ続ける。これは、ムーアの法則によって実現される。部品が集約、統合されれば、サーマルエンベロープ(熱)を下げ、物理フォームファクタを縮小(コンピュータデザインを小型化)できる」と述べた。

 Gelsinger氏は、将来のプロセッサのラインアップについて、プロセッサダイにグラフィックスを搭載したものと搭載しないものに分類し、「『Lynnfield』と『Clarksfield』はグラフィックス非搭載のプロセッサで、『Havendale』と『Auburndale』はグラフィックスが統合されたプロセッサである」と説明した(Intel幹部でさえも、ときには開発コード名を取り間違えることがあるのだが、Gelsinger氏は正しく説明するのに2度言い直さなければならなかった)。(CNET Japan)

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http://www.yomiuri.co.jp/net/cnet/20080821nt07.htm