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2008年08月21日(木) 12時43分

アップル、iPhone最新アップデートで「3G接続が向上」と主張——一部ユーザーからは「問題は解決していない」との声もComputerworld.jp

 米国Appleは8月20日、数日前に配布した最新の「iPhone」用ソフトウェア・アップデートにより、3Gネットワークの接続問題を解決したと説明したが、一部ユーザーからの苦情は現在も続いている。

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 同社が「iPhone 2.0.2 ソフトウェア・アップデート」をリリースした18日時点では、単純なバグ修正としか伝えられていなかった。しかしその2日後、同社の広報担当者が、やや具体的なアップデートの内容を明らかにした。

  Apple広報のジェニファー・ボウコック(Jennifer Bowcock)氏は、「iPhone 2.0.2 ソフトウェア・アップデートにより、3Gネットワークの接続が向上する」と述べたが、今回のアップデートで改善された具体的な問題点など、詳細な質問に対するコメントは避けた。

 しかし、18日のリリース以降、Appleのサポート・フォーラムに投稿したほとんどのユーザーが、最新アップデータは問題を解決していないとの苦情を書き込んでいる。

 ユーザーの1人である「minimal design」氏は、iPhoneのフォーラムで、「3Gのスピードは極端に遅く、アップデート前と変化はない。変わった点といえば、旧バージョンのソフトウェア 2.0.1では(電波の強さを示す)バーが1本しか示されなかったが、アップデート後には3本になった。見た目の感度を向上しただけとしか思えない。まったく役立たずだ……」と報告した。

 また、ユーザー名「Judge Kalfas」氏も、別の長いトピックに、アップデートばかり行っても結果が伴っていない、と怒りを表した。「ヒューストンのダウンタウン内にいた4時間に、12件の通話が途中で切れた。買ったばかりのiPhone 3Gだが、車の窓から投げ捨てようかと思った」(同氏)

 さらに、英国のユーザー「andyjjj」氏も、「イギリスで2番目に大きい都市の中心に住んでいるのに、3Gの受信バーは0本から5本までの間を行ったり来たり。そのために通話が不安定になる。2.0.2にアップデートしたあとでこの状態なのだから、ひどいものだ」と述べた。

 一方で、ボウコック氏の発言を何とか解釈し、Appleを大目に見ようとしているかのようなコメントもある。ユーザー名「HeloCaptain」氏は、「なんとAppleは、iPhone 3Gの一部に、3G接続の不良品があると認めている!(行間を読めば、何となくそのように聞こえる?)」と皮肉った。

 また、Appleは今週23日に数カ国でiPhone 3Gの販売を新たに開始するが、ユーザー「jabecker」氏はこれに触れ、「“3Gネットワーク接続の向上”という触れ込みは、金曜日のリリース前に、iPhoneが新たに発売される国での接続を多少強化したためと解釈できなくもない。ただ、米国では向上していない」と述べた。

  iPhone 3Gは今年7月11日にデビューしたが、発売から数日でユーザーからの3Gネットワークの接続感度に対する不満が聞こえ始めた。Appleのサポート・フォーラムには、3Gネットワークのカバレッジ範囲内にもかかわらず通話が困難だという指摘や、電波が弱く、データ・ダウンロードの速度が保証されたスピードどおりでないとの苦情など、これまでで数千件のメッセージが寄せられている。

 Appleはユーザーからの苦情に対するコメントは発表しておらず、公式な回答はボウコック氏の発言のみだ。しかし、一部情報筋は、「iPhone 2.1」となる次回のソフトウェア・アップデートは来月の予定で、3G接続関連のさらなるバグ修正が行われると報じている。

(Gregg Keizer/Computerworld米国版)

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