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2008年08月21日(木) 11時35分

北京五輪 ダフ屋横行…閉会式百倍 スター棄権で大暴落も毎日新聞

 【北京・鈴木玲子】北京五輪の競技場周辺で、違法にチケットを売るダフ屋「票販子(ピャオファンズ)」が横行している。人気競技は依然高値で、閉会式は定価の100倍以上の「プラチナチケット」だ。一方、中国のスーパースター・劉翔選手(25)が陸上男子百十メートル障害予選を棄権したため、決勝がある21日の陸上チケットは大暴落した。警察当局は取り締まりを強化するが、大会終盤になっても票販子が減る気配はない。

 五輪公園への乗換駅・北土城駅周辺には数百人の票販子が集まる。「五輪チケットの闇取引は厳禁」と書かれた看板があるが、お構いなしだ。英語で「サッカー・ファイナル(サッカー決勝)」と書いた紙とチケットを手にした票販子の夫婦がフランス人男性(27)に「1枚4500元(1元=約15円)」と声を掛けた。定価は600元だから7.5倍の暴利。値切ると「3000元でどうだ」。別の票販子は「野球決勝を1枚1000元、2枚で1500元でどうだ」と売り込む。定価は150元。「野球は中国では人気がないけど、日本人や韓国人が買うからね」とほくそ笑む。

 閉会式は定価150〜3000元。ある票販子は「最低でも2万元は下らない。少し良い席は7万元だ」と明かす。実に100倍以上だ。閉会式はスポンサーなどからチケットが流れてくるので、ダフ屋も他の競技より入手しにくいという。

 一方、誤算だったのは劉翔選手の棄権。「1000元で入手したのに大損。予選前は7000元でもすぐ売れたのに」とこぼす票販子もいる。定価800元が最高1万5000元まで上がった。だが棄権で一挙に1000元まで下がった。

 警察当局は15〜17日、北土城駅や野球場などの周辺で、外国人37人を含む276人の票販子を摘発、チケット613枚を押収した。

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