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2008年08月20日(水) 11時01分

原油高騰:経営危機、酪農家ら「限界」 中標津と釧路でデモ /北海道毎日新聞

 ◇中標津と釧路、900〜800人のデモ
 原油高騰による酪農経営の危機を訴えるため、農業関係者による決起集会とデモ行進が19日、根室管内中標津町と釧路市内でそれぞれ行われた。これまで配合飼料の主要成分を占めていたトウモロコシがバイオエタノール原料や食糧そのものとして重宝され、これに伴い輸入飼料の価格が高騰、化学肥料も7割近く値上がりしている。参加者は「コスト低減にも限界がある」と立ち上がった。
 根室地区酪農対策協議会(高橋勝義会長)と根室管内農協組合長会(佐々木喜一郎会長)主催の集会では、根室管内別海町の酪農業、望月英彦さん(50)が「われわれが防波堤となって食料を作り続けなければ、もはや(海外から)お金で買えなくなってきている。日本の農業を守るのではなく、食料を守るために少しの値上げと少しの税金をわれわれにお願いします」と述べた。
 集会に先立ち、酪農家や農業関係者ら約900人がむしろ旗などを掲げてデモ行進し、一刻も早い原油高・穀物高対策を国に求めた=写真<上>。
 一方、釧路地区酪農対策協議会(瀧澤義一委員長)など主催の集会では、釧路管内弟子屈町の八幡健誠さん(35)が約800人を前に、「経営難で自ら命を絶った仲間もいる」と声を詰まらせながら苦境を訴えた=同<下>。消費者には「我々の手取りが増えることは消費者の負担増につながるが、ぜひご理解をいただきたい。もうきれい事を並べるだけでは乗り切れない」と述べた。【本間浩昭、山田泰雄】

8月20日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080820-00000023-mailo-hok