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2008年08月20日(水) 13時12分

発砲事件まで発生 軍人が監視するイラクの試験会場COURRiER Japon + hitomedia

イラクでは毎年6月、バカロレア国家試験が行われている。日本と同じ「6・3・3制」のイラクにおいて、この国家試験は小学校卒業・中学校卒業・高等学校卒業の資格を認定するものだ。
国立大学の入学先もこの高等学校卒業認定の試験結果で決まるのだが、ここ数年、試験会場で悪質な不正行為が横行し、昨年には、難関大学に不正合格した学生の存在が明らかになって社会問題となった。さらには、カンニング行為を見つけた試験官に対し、受験生が逆ギレして「見逃さなければ殺す」と脅迫する事態にまでなっていた。
こうしたことを受け、イラク教育省は今年度、異例の措置を取った。従来の試験は小・中・高等学校のそれぞれの教室で行われていたが、男子の高校卒業認定試験は会場を大学のキャンパスに変更。受験生たちは軍や警察が護衛するバスで会場に移動し、ものものしい厳重警備のなかで試験を行うことになったのだ。
こうして迎えた試験初日、アルフザーイ教育相が現場視察に訪れたが、この際、大臣の護衛が学生に向けて発砲する事件が発生し、5人が負傷した。教育省によれば、学生が大臣にピストルの銃口を向けたため、発砲したのだという。
その翌日には、これまで試験官を務めてきた教師たちが教育省前に集結。受験生による行き過ぎた行為に対処することや、教師の安全を守るための警備強化を求めてデモを行った。
問題を起こす受験生は、政治団体や民兵組織に属し、過去に学校からドロップアウトした者が多いと見られている。はたして来年は、試験会場の治安が保たれるのだろうか? 

アル・ハヤト(UK)より。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080820-00000000-cou-int