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2008年08月19日(火) 19時00分

靖国神社が所蔵する意外な人物の甲冑ツカサネット新聞

終戦記念日にはいつも政治家の靖国神社参拝が話題になるが、靖国神社には「無謀な戦争」で死んだ人たちだけが祀られているのではない。

靖国神社はもともと江戸幕府の討幕派として戦死した人を弔ったのが始まりだが、歴史史料を所蔵している遊就館には江戸幕府に関する史料もあり、戦争に関するものなら何でも集めるという節操のなさが、一種のカルト教団のような異様さをかもしだしている。

そうした史料の中に関ヶ原の合戦で東軍に寝返り、勝利のきっかけをつくったとされている小早川秀秋の甲冑「三鍬形後立小星兜・紫糸威二枚胴具足」がある。

小早川秀秋がいなければ江戸幕府もなかったかもしれないというほど功績のある人物だが、裏切り者にされ、若くして狂い死んだと伝えられて、あまりイメージがよくない。そんな人物の甲冑が長い間、大切に保存され今日まで残って靖国神社に所蔵されているということにギャップを感じる。

すくなくともこの甲冑を所蔵していた人物は小早川秀秋のことを大変気に入っていたのだろう。

一説には長州藩に小早川秀秋の家臣だった者の末裔が多く討幕運動に参加したといわれているので、そういった関係者かもしれない。または、小早川秀秋には子供がいなかったのでお家断絶になったのだが、実は側室に子供がいて現在もその血筋は絶えていないので、あるいはその縁者ということも考えられる。

靖国神社が色々な問題をかかえているのは事実だが、それだけではない違った部分にも光をあてて考える必要があるのではないだろうか?


(記者:昿野 洋一)

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