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2008年08月19日(火) 13時01分

「眠りのデザイン」がコンセプトのホテルオーマイニュース

 2007年11月にオープンした「眠りのデザイン」をコンセプトにしたホテル「レム日比谷」に泊まってみた。

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 あらかじめ地図を頭に入れていったにもかかわらず、帝国ホテルのところまできて、少し迷った。

 フロントは2階なのでエレベーターで2階に上がると広々とした空間にフロントのカウンターがあり若いスタッフが優雅に迎えてくれた。

 チェックインをすますと、なにやらアメニティをもらった。部屋にはお茶は置いてないので、好きなのを取って下さいというわけだ。従来と違い、好きなのだけチョイスしてもらうというのはなかなか思いきったいい考えだと思った。

 部屋は15階のツインルーム。床は珍しいことに落ち着いた色のフローリングだ。ベッドのサイズは広くもなく狭くもない、幅120センチといったところだろうか。窓の外は特に良い眺めとは言えないが開放的な感じだ。

 部屋にはマッサージチェアがあった。それも一見してマッサージチェアと分からないスタイリッシュなデザイン。背中や肩の凝りをほぐすだけなら充分な機能だ。

 部屋にはアロマボールという機器が備え付けてあった。フロントでもらったジャスミンの香りを入れてスイッチを入れるとたちまち部屋がアジアン・リゾートのような香りに包まれた。

 ほかにもレインシャワーという、普通より2周りほど円周が大きなシャワーヘッドがありそれも目玉のひとつであった。

 さらに朝食はフロントと同じ階にあるCafe & Meal Mujiで取ることができる。物販施設のないところにテナントとして入るのは初めてだそうである。

 チェックイン後、少し休憩をして夕食のために銀座まで出掛けた。

 浴室にアメニティとしてボトルで置いてあった「プロバンシア」というブランドの自然派グッズはなかなか香りも良かった。一部熱狂ファンを持つ「グリセリン石けん」を作っていたペリカン石鹸(せっけん)という会社の製品だった。

 レインシャワーは欲を言えばマッサージ効果や打たせ湯効果を求めたいところだが、水圧もちょうどよくとても気持ちが良かった。連れも入浴をすませたところで、部屋で先ほどのタイ料理だけではもの足りず、2次会だ。

 ワイン1本から始まって発泡酒も少し飲んだだろうか。つまみも豊富にあり、近況報告に花が咲く。夜も12時を回ったころ、そろそろベッドに入ろうと思った。

 ベッドはシルキーレムというブランドで日本ベッドと共同で開発したものだそうだ。通常のスプリングより倍の数のスプリングが使われているという。たしかに横になってもそれほど身体が沈まず、寝心地がいい。枕も2個は標準装備されており、裏表で違う堅さや感触が楽しめる。

 トマト酢とGABAが原料だという、グッスミンも飲んだ。マッサージチェアにも嫌というほどかかった。

 だが、いつまでたっても寝付けないのだ。冷房を消した部屋に羽布団は暑すぎた。それに部屋の異常な乾燥にのどが渇いてしまいあわてて水分を保給して、バスタブに水を張った。

 小さい努力が功を奏したのか、しばしの眠りに落ちた。だが、またすぐに目が覚めてしまうのだ。どうやら、たまにしか食べないとびきり辛いタイ料理とアルコールの取りすぎも原因のひとつであるようだった。

 レムとノンレムを繰り返し、朝起きた時には意外とスッキリしていたので、短時間でも熟睡できたのだろう。

 宿泊プランには朝食も含まれていたので、2階にあるレストランへ向かった。朝食はバイキング形式ではなく、和食か洋食かのセットメニューだ。Cafe & Meal Mujiらしく、メニューに一工夫した、食べるだけで健康になれそうなおかずが数品、プレートの上にのっている。

 チェックインの時から、朝食は洋食か和食か決めかねていたがようやく洋食にした。素材にこだわった優しい味だった。

 後ほどインターネットで「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」を検索してみた。なんとぐっすり眠るほうは「ノンレム睡眠」だった。ネーミングの「レム日比谷」とは浅い眠りをお約束、ということだったのか。レムということは「覚醒(かくせい)」である。夜はぐっすり眠るよりどうぞ部屋の中でくつろいで夜を楽しんで下さいという意味だったのか!?

 ホテルネーミングの意外な解釈にひざを打ちつつも、またいつの日か「刺激物抜き」で純粋に睡眠を楽しむためにこのホテルに泊まってみたいと思う私であった。

(記者:南 萬寧)

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