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2008年08月18日(月) 13時05分

取り締まるより利益を優先? 中国は聖書の巨大生産地! COURRiER Japon + hitomedia

「北京五輪の期間中、中国のキリスト教団体は各国選手や観光客のために充分な聖書を提供する」07年末、中国国家宗教事務局長の葉小文(イエシャオウェン)によるこの発言がなかったら、多くの外国人は「中国では聖書は買えない」と誤解し、中国の聖書産業についても知らないままだっただろう。それまでは「北京五輪では聖書持ち込みが禁じられる」という噂すら飛び交っていたのだ。
今年に入ってから英ガーディアン紙は南京のある印刷工場を紹介し、「この工場では、1分間に聖書23冊が印刷されている。09年にはここで全世界の4分の1の聖書を製造するだろう」と書いている。米ロサンゼルス・タイムズ紙も「中国では聖書がビッグビジネスになる」と題する記事で「中国の聖書産業は飛躍的に発展しており、世界最大の無神論国家は、世界最大の聖書製造国に生まれ変わろうとしている」と述べた。
この南京の工場は、88年に設立された南京愛徳印刷公司。80年代に政府がキリスト教など主要宗教の活動を認めたのを受けて設立された、中国で唯一合法的な聖書の印刷会社だ。
ここで印刷される聖書は、一般の新約聖書や旧約聖書はもちろん、金の縁取りやインデックス、ファスナー付き革表紙など特殊加工の豪華版、中英対訳版、点字版、児童向けなどバラエティに富む。印刷言語も、標準中国語のほか、朝鮮語、ミャオ族やイ族といった中国の少数民族の言語、外国語では英語からズールー語まで幅広く網羅する。ちなみに国内での販売価格は、一般装丁本が13元(約200円)、豪華版は100元以上もする。
副社長の劉磊(リュウレイ)によれば、07年の聖書の印刷・製本部数は60 0万冊以上。輸出用の聖書も印刷しているが「近年中国国内の需要は安定しており、まずは国内需要を満たすことが先決」と劉は言う。また、中国では「聖書は一般の書店にはありませんが、教会の書店で誰でも購入できます」とも語る。それどころか北京五輪に際しては、五輪組織委員会から北京五輪のロゴ入り聖書を数万冊も受注したという。
中国は、聖書産業を規制するどころか、この分野でも「世界の工場」になるのだろうか? 

国際先駆導報(中国)より。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080818-00000000-cou-int