2008年08月18日(月) 12時00分
TV放送終了後に流れる「カラーバー」の役割とは?(R25)
“ピーッ”という音とともに、カラフルな画像が映し出されるカラーバー。日曜の深夜など、TVの放送終了後にたま〜に見かけますよね!?
けど、あの画面。今まであまり意識してこなかったせいか、何のために放送しているのかイマイチわかりません。いったい、どんな目的で流しているのでしょう? NHK技術局の春口篤さんに伺いました。
「カラーバーは、放送局が映像機器やモニターの調整のために流しています。TVのカラーは、局の装置で発生させるカラー信号により映し出されますが、その信号が局内の各装置を伝わっていく段階で色がズレたりすることがあるため、定期的な調整が必要になるのです。例えるなら、ピアノの調律などに近いイメージですね」
放送局は、番組の年間スケジュールを組む段階で映像機器などの調整日を設定しており、平均すると週1回程度カラーバーを流しているそう。それ以外の日は“砂嵐”(放送局からの電波が停止すると、受信機が放送を受信できないため、ノイズとして表示される画面)やグレー一色の画面だったりするようです。
「調整時は、カラーバーを構成する光の3原色の『赤』『青』『緑』と、それらを混ぜてできる『白』『黄』『シアン』『マゼンタ』の正しいカラーを映せるように機器を調節します。ただ、各局が独自の基準でカラー調整をすると、『この放送局は肌の色が濃いのにこちらは薄い』という具合に視聴者の混乱を招く恐れもあるので、電波産業会が設定するカラーバーを基準に各局が調整を行っています」
調整日には、まず専門のエンジニアが機器やカラーの調節を行い、最後に試験放送としてカラーバーが流されるそう。ちなみに、この調整は放送がアナログからデジタルへ移行したあとも続くのだとか。
「TVの放送は、まず放送する信号の調整を行ったあと、アナログで流すかデジタルで流すかを選ぶようなシステム。なので、放送形態が変わっても調整の必要性は変わりません」
デジタルの映像は放送局の電波が届かなくなったり、映像信号が切れたりして、時々フリーズを起こしますが、カラーバーは静止画なのでフリーズが起きてもわかりません。それをちゃんと確認できるよう、最近“動くカラーバー”が導入されるなど、デジタル放送への移行でカラーバーの種類は増えているそうです。
この先も増える可能性のあるカラーバー。今後、“色々”なタイプが登場したら、夜更けのTVが深夜番組以上に賑やかな放送になるかもしれませんね。
(R25編集部)
※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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