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2008年08月18日(月) 11時46分

3年前、ソウルで見た光復節式典オーマイニュース

 8月15日、終戦記念日。当然のように日本と近隣諸国では8月15日の捉え方は大きく異なる。日本では戦没者追悼の日であるが、近隣諸国では日本への勝利または日本からの解放の日という位置づけである。

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 私は3年前の8月、ちょうど韓国ソウルに語学留学していたが、私が通う語学学校では韓国政府主催の光復節式典に留学生を招待することになっていた。そこで私は、どんなものか見てみたいと思い、応募することにした。

 この日は朝から小雨が降っていたが式典が始まる時間にはほぼやんでいた。このときの式典は光復から60周年ということもあり当時の盧武鉉政権により朝鮮時代の王宮・景福宮の前の大通りを閉鎖して盛大に行われた。

 盧武鉉大統領の演説も聞いた。主な内容は南北融和と軍事政権時代の人権弾圧への補償問題であり日本への言及はなかった。また韓国では独立運動家への表彰制度があるがこの年より、社会主義運動家への表彰も行われた。

 式典終了後、会場から1キロ半ほど南にあるソウル駅前広場に行ってみた。ここでは盧武鉉政権に反対する保守勢力の集会が開かれていた。参加者の顔ぶれをみると中高年以上の男性が多かった。

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 さて、韓国のテレビニュースを見ると、今年の式典も景福宮前で行われた。

 前回は日本からの解放60周年だったが、今年は大韓民国政府樹立60周年記念である。8月15日は政府樹立の日でもある。どういうわけか今年も3年前と同様、曇りがちの天気だった。

 今回の演説では李明博(イ・ミョンバク)大統領は過去60年間を「成長・発展・奇跡の時代」と強調していた。これには李政権は保守政権であるため、過去の保守政権の正当性を訴える狙いがあると見られている。

 ところで、これも韓国のテレビニュースだが、8月15日の東京の様子を伝えていた。右翼団体が街頭演説したり靖国神社で日の丸を振りまわす場面が流され、最後は日本の右傾化を強調するステレオタイプな内容だった。

 普通、独立記念日または解放記念日といえばアメリカ独立記念日のような華やかな祝典をイメージする。

 日本からの独立を祝う日であれば、暗い話よりももっとお祝いムードが出来ないのかと、日本人でありながら思うのであった。

(記者:長迫 厚樹)

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