記事登録
2008年08月18日(月) 02時33分

平泉、次は世界遺産「有望」=彦根城は姫路城と一本化を−ユネスコ局長単独会見時事通信

 【パリ17日時事】国連教育科学文化機関(ユネスコ)の松浦晃一郎事務局長(70)は17日までに、パリの本部で時事通信との単独会見に応じた。日本の世界遺産候補9件のうち、今年登録が見送られた「平泉の文化遺産」(岩手県)について、「(登録基準の)顕著な普遍的価値の概念を練り直し、保護管理計画を強化すれば2011年には登録が有望だ」と語った。
 松浦氏は1999年からユネスコ事務局長を務め、今年6月に著書「世界遺産」を出版するなど権威として知られる。
 7月の世界遺産委員会で登録延期とされた平泉について、松浦氏は日本側がユネスコ設定の6つの登録基準のうち、第3−6を選んで文書を作成した点に問題があったと指摘した。
 さらに、ユネスコの諮問機関が「平泉の一部物件は基準第2の『文化の発展に重要な影響を与えた価値観の交流を示すもの』に該当する」と評価していたと明かした上で、申請の枠組みを変更するよう求めた。
 92年に候補の暫定リストに記載されたまま、推薦のめどが立っていない彦根城(滋賀県)については、「単独登録は難しい」と指摘。近世城郭建築として世界遺産に登録された姫路城(兵庫県)と一本化し、シリアル・ノミネーション(同種の遺産群の推薦)の扱いにすれば、「道は開ける」と述べた。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080817-00000184-jij-soci