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2008年08月16日(土) 14時40分

産婦人科医に20日判決=出産女性死亡、過失が争点−福島地裁時事通信

 福島県立大野病院で2004年、帝王切開手術で出産した女性=当時(29)=が大量出血して死亡した事故で、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた産婦人科医加藤克彦被告(40)の判決が20日、福島地裁(鈴木信行裁判長)である。検察側は「医師として過失は重大」としたが、弁護側は「大量出血は予見不可能で処置は適切だった」と無罪を訴えており、主張は真っ向から対立している。
 手術時の判断をめぐり、執刀医の刑事責任が問われた裁判は医療界に大きな波紋を呼んだ。被告の措置は「過失」か「通常の医療行為」か。地裁の判断が注目される。
 最大の争点は、被告が帝王切開後に「癒着胎盤」を子宮からはく離した際、大量出血を予見できたかと処置を続けたことの是非だ。
 検察側は「はく離を続ければ命に危険が及ぶと予見できたのに漫然と継続した」と強調。はく離をやめ、子宮摘出で大量出血を防げたとして、禁固1年、罰金10万円を求刑した。
 弁護側は継続措置について、「医療現場での医師の裁量として合理的かつ適切」と反論。子宮摘出は非現実的と批判した。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080816-00000116-jij-soci