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2008年08月14日(木) 11時21分

能登の海で、イルかと泳げる!オーマイニュース

 「お盆」は、先祖の霊が帰ってくる日と言われています。

 離れて暮す家族や親族が集まってご先祖を供養し、亡くなられた人をしのぶ行事としての日本の古い習慣です。

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 故郷から遠く離れると帰省する機会も少なくなりますが、1年に1度のお盆の時期だけは欠かさず帰省するようにしています。

 普段は仕事や個々の生活で忙しい人達の集まりですので、今年は目先を変えて実家からはさほど遠くはないのですが、ゆっくり語り合う時間も取れると言う事で、石川県七尾市の能登島の民宿で集う事になりました。

 お墓参りもすませ、民宿でのんびり語り合う趣向で、海に出かけたい人は出かけると言う様な予定でしたが、民宿のご主人がイルカを見に連れて行ってくれると言ってくださったので、みなで釣り船に乗り込みました。

 私が子供のころ、故郷の海にイルカがいたと言う記憶は無かったですし、子供たちが小さかったころ、毎年夏休みに訪れた能登の海にイルカが見られると聞いた事はありませんでした。

 民宿のご主人、若林さんにお話を伺いましたら、七尾北湾で2001(平成13年)年秋、突然、ミナミハンドウイルカの雄雌2頭が住み着き、赤ちゃんも生まれ、現在5頭になったそうです。

 青い海を釣り船に揺られて、ほんの10分ほどでイルカたちに会えました。人から逃げる様子も無く、甥っ子が海に飛び込むと近寄ってきて一緒に泳いでくれました。若林さんのお話では、イルカが人間と遊んでくれている? とか。

 ミナミハンドウイルカは生態に関する研究はあまり進んでいないので、能登島沖のイルカがどこから来たかとか、生態や保護に付いての研究が進められているそうです。

 2007年3月25日に能登半島に地震が起こり、現在はガソリンの高騰などの時代の波に巻きこまれながら、この地域の生活にも変調が訪れた事だと思いますが、イルカの出現により「イルカセラピー」などの研究も進んでいるようです。

 北国新聞によると、イルカセラピーとは、好奇心が強いイルカの習性を利用したセラピーの一種だそうです。体の大きなイルカに触れたり一緒に泳ぐことで、自閉症患者やアトピー患者、障害者が自分に自信を持ち、自発的な行動が身につくなどの効果がある、といわれているとか。

 もともとは豊かな海の幸と、自然に恵まれた能登半島です。イルカが福の神を誘って来たのかも知れません。

 民宿での夕食は、その日に取れたお魚の船盛や、食べきれないほどの心尽くしの海鮮料理をいただきました。そしてあとかたずけからも開放され、ゆっくりと団欒を楽しめたお盆の帰省になりました。

 亡くなった父も目を細めて、参加していたに違いないと思います。

(記者:那波 孝江)

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