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2008年08月13日(水) 11時17分

町田市、『心のバリアフリーハンドブック』刊行オーマイニュース

本文 町田市は、今年で市制50年を迎えた。ご存じの方もおられることと思うが、2代目の大下勝正市長(任期:1970年〜1990年、5期)の時から「車いすで歩けるまちづくり」、そして「車いすで生活できるまちづくり」へと全国に先駆け福祉の街政策を打ち出している。

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 しかし、大下氏以降、福祉を取り巻く国の政策や制度の変化により、ほかの市町村と比べ、突出した福祉先進というわけではなくなっている。

 それでも、まちづくり条例や、市長の諮問を受け、さまざまな分野の専門家たちで作られるまちづくり委員会が後継され、続いている。

 たしかに他地域よりも車いすで入れる商店をはじめ、公共建築物は多いかも知れない。心なしか、街で出会う障害者も多い。

 この専門家の構成は、視覚障害者、聴覚障害者、身体障害者、精神障害者、知的障害者の親など、いわゆる当事者性が色濃く、それをサポートするように知識人や教育関係者、NPOと言った市民団体、または民間企業などで構成されているのが特徴だ。

 バリアフリーハンドブックというと、どうしてもマップ的なものを想像してしまう。

 しかし、町田市のまちづくり委員会は、物理的な問題より、バリアはむしろ人の心にあるのではないかということで、2003年に「私にもできる支えあうまちづくり」心のバリアフリーハンドブックという冊子を刊行している。小学校4年生くらいから読めるように作られ、実際、それをもとに中学校などでさまざまな当事者が講演を行ってきている。

 今回8月11日に『私にもできる支えあうまちづくり』、心のバリアフリーハンドブックの改訂版(A4版 24頁8000部無料配布)が刊行される運びとなった。市民などへのアンケートやヒアリングなどをもとにしたさまざまな意見を盛り込み、当事者が納得するまで議論したうえで編集されたものだ。

 編集の特徴は、障害のある人も、そうでない人も、お互いに地域で生活している事を理解しようというもの。そして、前回盛り込むことが難しかった知的障害者や精神障害者の特徴にも触れ、「見た目やおかしな行動と思っても見守ってほしい」ことや、私たちはいろいろな人と暮らしているということへの理解、そして、具体的な配慮の仕方や、誰でもできる接し方などが、わかりやすく掲載されている。

 ぱっと見、写真や絵が多く、こども向けのように見えるが、大人が見ても大変役に立つと思う。むしろ大人に読んでもらいたいと思うくらいだ。

 まちづくり委員会では心のバリアフリーの啓発のために、『心のバリアフリーハンドブック』を使いながら、小学校などで講演をしていこうとしている。

(記者:関根 善一)

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