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2008年08月13日(水) 19時22分

GDP速報でマイナス成長 推進力失った日本経済産経新聞

 4四半期ぶりのマイナス成長となった4〜6月期の国内総生産(GDP)速報は、日本経済の景気後退を裏付けた。個人消費と外需が落ち込んで成長を押し下げ、原油・原材料価格の高騰が企業収益を悪化させている。7〜9月期はプラスに戻るとの予想も少なくないが、成長の推進力の早期回復は難しく、日本経済は厳しい局面を迎えた。

 マイナス成長の主因は、個人消費や企業の設備投資など内需の大幅な落ち込みだ。特に景気を下支えしてきた個人消費のマイナスは大きい。食料品や光熱費など生活必需品中心に物価は6月だけで前同月比3.5%も上昇し、消費者の防衛意識は強まるばかりだ。

 さらに、厳しい状況を示したのが、外需の低迷だ。米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題の実体経済への波及が現実となり、輸出に急ブレーキがかかった。外需頼みの成長を続けた日本経済だけに、米国・アジア向け輸出の減少を受けて企業は生産調整に入らざるを得ない。企業収益の悪化次第では、雇用や賃金の抑制は避けられず、場合によっては消費低迷の「負の連鎖」も懸念される。

 今後の見通しについてエコノミストの間では、「景気は今年後半は暗い状況が続くだろう。原油価格の下落が唯一の明るい材料。原油価格が落ち着けば少し明るさが出るのではないか」(櫨浩一・ニッセイ基礎研究所経済調査部長)との見方もあり、政府の効果的な経済対策に期待が高まる。

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