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2008年08月11日(月) 11時14分

夜の公園でセミの羽化を目撃オーマイニュース

 この時季になると、毎年、夜の公園では、壮絶なドラマが展開されています。それはセミの羽化です。

 アブラゼミの幼虫は土の中で6〜7年過ごすといわれます。日が暮れて周りが暗くなると穴から出て、直近の木に向かいます。

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  幼虫は幹の途中や小枝の葉先に爪をかけて、自分の殻を抜け出して羽化します。チョウの羽化と同じように、まず幼虫の背中が割れて、背中と頭を抜き出し、次に上体を後に大きく反らすイナバウアー姿勢を取って下半身を抜き出します。そのとき胸元を白い筋のようなもので殻とつないで身体を支えています。

 殻から全身を抜き出すと、体の両脇に畳んでいた翅をひろげます。翅は体液で濡れているので、垂らしたままじっとして乾くの待ちます。やがて少しずつ体を動かして、殻の上から木肌に移動します。1時間ほどで翅は伸びきって乾き、ほんのりと茶色を帯びてきます。

 羽化は幹の途中でも枝先でもどこでも見られます。2メートルほどの高さの枝先の葉に何匹も幼虫が集まって羽化しています。外敵が近寄れないからか。

 幼虫が穴から出てセミの姿になるまでの時間は3〜4時間です。その間、全くの無防備のままで外敵からの危険に身をさらしています。殻から身を抜き出すまでに死んでしまう幼虫もいます。写真の幼虫はシロアリのような小虫の攻撃を受けて、この後、2時間ほどがんばっていましたが、ついに力尽きたのか動かなくなりました。

 地面には幼虫が這い出した後の穴がいっぱい。小枝を入れて深さを測ってみると、7センチから10センチぐらいです。(撮影:8月10日、川崎市宮前区で)

(記者:矢山 禎昭)

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