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2008年08月11日(月) 14時44分

主催国の誇り?中国的観戦作法改良、君が代にブーイングなし読売新聞

 【北京=牧野田亨】開会中の北京五輪の競技会場で、中国人観客がマナーを守った応援を繰り広げている。

 開会前は相手への激しいブーイングなどが心配されたが、今のところ混乱した場面もみられない。

 11日の競泳の表彰式で、中国人観客は、金メダルを取った北島康介選手に大きな拍手を送った。君が代吹奏では手に持った中国国旗を振り祝福した。また、10日夜、柔道の内柴正人選手が金メダルを取った男子66キロ級の表彰式でも、数千人の中国人観客はほぼ全員が起立、静かに国歌演奏を聞いた。ブーイングやヤジはなかった。

 観客席にいた北京市内の男性(30)は「王者に中国人も日本人もない。敬意を払うのは当然だ。主催国だしね」と笑った。

 同日の女子52キロ級では「中国、がんばれ」の大声援が幾重にも響き渡った。中国の●東妹選手が金メダル獲得を決めると、中国人観客は一斉に跳び上がり、中国国旗をはためかせたが、●選手が会場から立ち去った後はすぐに着席し、次の男子の試合を待った。(●はニスイに「先」)

 中国で行われた2004年夏のサッカー・アジアカップでは、中国人観客が国歌斉唱中の日本人選手に大ブーイングやヤジを浴びせ、国際的な批判を受けた。その後、中国政府は、北京で市民相手に観戦マナー講座を開くなど、国を挙げてマナー向上作戦に取り組んできた。その努力が功を奏しているようだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080811-00000027-yom-int