【モスクワ=瀬口利一】タス通信などによると、グルジア軍が7日夜から8日にかけて、グルジアからの分離独立を求める南オセチヤ自治州の州都ツヒンバリに進攻し、同自治州で平和維持活動を行うロシア軍司令部などを空爆、戦車による砲撃も行った。
ロイター通信などによると、これに対抗して、ロシア軍はグルジアの首都トビリシ郊外の空軍基地を空爆、戦車部隊をツヒンバリに進軍させた。南オセチヤをめぐるグルジアとロシアの対立は先鋭化しており、大規模な戦闘に発展する恐れも出てきた。
AFP通信によると、南オセチヤ自治州のココイトゥイ大統領は、グルジア側との戦闘で南オセチヤ側に数百人の死者が出たと語った。中央病院や大学などの施設が破壊されて炎上したという。露国防省によると、戦闘で露軍兵士ら少なくとも10人が死亡したという。
一方、ロシア軍は8日、戦車部隊が、ツヒンバリ近郊のグルジア軍砲撃陣地を制圧したと発表した。グルジア側は露軍の空爆でグルジア空軍機数機が破壊され、3人が死亡したことを認める一方、露軍機5機を撃墜したと発表した。
グルジアのサアカシビリ大統領は8日、米CNNテレビに対し、露側と「戦争状態にある」と述べた。一方、プーチン露首相は「対抗措置が取られるだろう」と述べた。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080809-3758656/news/20080808-OYT1T00672.htm