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2008年08月09日(土) 12時58分

安保理が緊急会合 声明案の合意持ち越し 露とグルジア交戦産経新聞

 【ニューヨーク=長戸雅子】国連安全保障理事会は8日午後、ロシアがグルジア北部の南オセチア自治州に軍事介入してグルジア軍と交戦、多くの犠牲者が出たことを受けて緊急会合を開いた。今月の議長国を務める非常任理事国のベルギーは戦闘行為の即時停止と交渉に戻ることを両当事者に要請する報道機関向け声明案を提示したが、結論は持ち越された。協議は9日午前にも再開される見通し。
 声明案をめぐる交渉に先立って行われた8日の公開協議でグルジアのアラサニア国連大使は同国の地図を掲げてロシアの空爆が行われた地域を指し示し、「ロシアは本格的な軍事侵攻を開始した。国際社会とその安定に対する挑戦だ」と非難した。
 ロシアのチュルキン大使は「南オセチアでは(グルジアによる)民族浄化が行われているとの報告がある。1300人以上が犠牲になっており、グルジアは国際法違反を犯している」と応酬すると、アラサニア大使は「民族浄化を行った(分離派の)加害者を支持してきたのはロシア」とし、「ロシアがこの協議開催の原因となった空爆になにも言及しなかったことに驚いた」とやり返した。
 米国のハリルザド大使はロシアにグルジアの領土主権を尊重するよう呼びかけ、空爆を行ったロシアを牽制(けんせい)した。
 安保理は8日未明にグルジア軍の同州進攻を受けてロシアが提案した声明案について協議したが米露の対立で決裂している。

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