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2008年08月08日(金) 12時39分

【ストーカー判事 判決公判ライブ】(2)「関係修復期待も動機」下山被告の“下心”断罪産経新聞

 ≪10:05〜10:12≫

 《渡辺康裁判長の正面に立ったまま、判決を聞いていた下山被告に判決理由を書いた紙が渡された。下山被告は数枚の紙をめくって最後まで目を通している》

【写真】下山被告が弁護人を通じて発表した直筆のコメント

 裁判長「被告は被害者に対する恋愛感情を充足する目的で、平成20年2月19日から3月19日までの間、前後16回にわたり被告方などからパソコンを使い、被害者の携帯電話に『こんばんわ!Vちゃん(被害者) 今何してる?もうお風呂入った?』『どこも感じてくれるし、声いいし…楽しく遊ぶのにお互い最高だよね』『ラブホ、Vちゃんが入るの見いちゃった!ついでに写真撮っちゃった』『身体きれいに洗っておいてね〜 会いにいくからさぁ』『今日県警本部に何しに行ったのかなぁ…ずいぶんと長い時間いたよね』などの内容のメールを送信し、被害者へ閲覧させ、被害者に対してストーカー行為をしたものである」

 《判決は、弁護側が主張した、自首の成立についての判断に移った。下山被告は4月8日夜、被害者に対し、ストーカーメールは自分の仕業だと告げていた》

 「被害者は下山被告が送ったのではないかと1度は疑ったが、否定されたため、告げられて初めて下山被告が犯人だと知った」

 《下山被告は身を固くして、裁判長の判断に聞き入っている》

 「捜査機関に発覚する前に、告訴権者である被害者へ告げており、告訴権者への告知に該当する。もっとも、その経緯としては、いずれ自分が犯人だと知られることがあったのであって、刑を減刑するには相当しない」

 《裁判長は、告訴権者への告知は成立しているものの、減刑理由には相当しないとする判断を示した。続いて、判決読み上げは量刑の理由に移った。正面を向いている下山被告の様子に変化はない》

 「本件は、下山被告が前後16回にわたり、ストーカーメールを繰り返し、ストーカー行為を行った事案である。その犯行態様は、偽名メールで第三者を装いながら、被害者から聞いたり見知ったことをもとに、被害者の名誉を害する内容や性的羞恥(しゅうち)心を害する内容のメールを繰り返し送信したもので、巧妙かつ悪質だ。一方では、被害者からの相談に親身に応じて、被害者の心をもてあそぶ卑劣な犯行でもある」

 「下山被告は、被害者の交際相手が好ましくないので被害者と別れさせようと考え、ストーカーメールを送れば、交際相手が見ることになり、おのずと被害者から離れていくだろうと思ったとしている。しかし、メールに関して被害者から相談されると期待し、被害者と自分の関係を戻したいと思ったと考えたとも認められ、動機にくむべき事情はない。仮に別れさせようとしたことが動機でも、他に取るべき手段はあった」

 《前回の被告人質問で、「被害者が交際相手と別れることが被害者のためになると考えてメールを送った」と答えた下山被告。しかし、裁判長は被害者との関係修復を期待した、その“下心”を厳しく断罪した》

 =(3)に続く

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