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2008年08月08日(金) 10時50分

<ストーカー判事>下山被告に有罪判決 甲府地裁毎日新聞

 部下の女性に匿名の電子メールを執拗(しつよう)に送ったとして、ストーカー規制法違反罪に問われた東京都文京区千石3、宇都宮地裁判事、下山芳晴被告(55)に対し、甲府地裁は8日、懲役6月、執行猶予2年(求刑・懲役6月)を言い渡した。渡辺康裁判長は「裁判官や司法に対する国民の信頼に反した誠に恥ずべき犯行」と述べた。被告弁護側は「控訴しない」と述べた。

 判決によると、下山被告は甲府地・家裁都留支部長だった今年2〜3月、山梨県内に住む部下の20代女性の携帯電話に「身体きれいに洗っておいてね〜」など性的表現を伴うメール計16通を送り、女性に不安を与えた。

 渡辺裁判長は、親しくしていた女性からメールに関して「相談されることを期待し応じることで、以前のような良好な関係に戻したいと考えた」と動機を認定。相談に親身に応じるふりをしたことには「被害者の心をもてあそぶ卑劣な犯行」と断罪した。執行猶予の理由については「被害者に謝罪の意を表明している」などと述べた。

 下山被告は81年に司法試験合格。04年4月に甲府地・家裁都留支部長に就任、今年4月に宇都宮地・家裁足利支部長に異動した。刑事裁判と並行して、最高裁は6月、下山被告を弾劾裁判で罷免するよう、国会の裁判官訴追委員会に訴追請求した。罷免されれば戦後の憲法施行後6人目。【藤野基文、曹美河】

 ◇思慮欠いた行動

 下山被告は「私の思慮を欠いた行動により、被害者をはじめ多大な御迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。国民の皆様にも司法に対する不信の念を抱かせ深く反省いたしております。本日の判決を厳粛に受け止め、今後の日々を過ごしたいと考えております」との直筆のコメントを弁護士を通じて発表した。

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