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2008年08月08日(金) 08時22分

ストーカー判事にきょう判決 検察は懲役6月求刑産経新聞

 部下だった20代の裁判所職員の女性にメールを執拗(しつよう)に送ったとして、ストーカー規制法違反の罪に問われた宇都宮地裁判事、下山芳晴被告(55)に対する判決公判が8日午前10時から、甲府地裁(渡辺康裁判長)で開かれる。検察側は「司法制度に対する国民の信頼が損ねられた」として懲役6月を求刑しており、現役裁判官による前代未聞の犯行に対する地裁の量刑が注目される。

 7月25日の初公判で、下山被告は「すべて間違いありません」と罪を全面的に認めた上で、「司法に対して国民に不安を与えてしまったと思う。私を育ててくれた裁判所や被害者に対しても、申し訳ないことをした」と反省の言葉を述べた。弁護側は「厳しい社会的制裁を受けている」として、執行猶予付きの判決を求めている。

 「正体」を隠してわいせつなメールを送る一方で、女性からメールに対する相談を受けていた動機については、「過去に女性と交際していたが、新たな交際相手のことを聞き、あまり信頼のおける相手でないと感じた。嫉妬心もあり、(相談に乗ることで)女性と交際を始めた当時の良好な関係になれればと思った」とする屈折した感情を下山被告自身が述べた。

 さらに、「女性の交際相手が、彼女がメールの送り主と交際していると誤解させて嫉妬させ、別れることを期待した」とする下山被告の供述調書を、検察側が読み上げる場面もあった。

 起訴状によると、下山被告は甲府地裁都留支部長だった2月19日からの約1カ月間に、恋愛感情を満たす目的で、女性の携帯電話に「もうお風呂入った?」「身体きれいに洗っておいてね」といった内容のメールを匿名で16回送信するつきまとい行為を繰り返した。

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