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2008年08月08日(金) 11時29分

甲子園は辞退できない ビジネス化した高校野球ツカサネット新聞

野球部員が強制わいせつの容疑で逮捕された桐生第一高校について、出場辞退をしないことについて、批判の記事が相次いで掲載された。喫煙、飲酒などと違って、強制わいせつは被害者の心と体が深く傷つく。この点に配慮があったのか、誰もが疑問に思うことだ。

普通に考えれば、高野連から処分が言い渡される前に、高校側で辞退を申し出るのが当然だが、高校側は辞退を否定し、高野連も出場を認めた。なぜ、甲子園への出場にこだわるのか。それは高校野球のビジネス化だと言える。

春の甲子園は毎日新聞、夏の甲子園は朝日新聞の購読拡大に利用されている。もちろん、地方版の祝賀広告も新聞社の大きな収入源となっている。学校側にとっては、私立高校の場合、翌年の受験者増にも貢献し、まさに高校野球ビジネスだ。

全国の中学校から有力野球部員をスカウトする私立高校。本来は、都道府県の代表として、地元の誇りであるべきなのだが、高校野球の名門校のなかには、とても地元の代表とは言えない高校もある。

商店街の肉屋さんが、「○○君は、いつもコロッケを買いに来てるけど、甲子園に出場するならビッグサイズを食べて欲しいね」と、出場する選手の顔が見えるのが本来の甲子園だ。「あの子なら、幼稚園の時から知ってるよ」という声も出る。

これが本来の甲子園大会の姿だったはずだ。まさに、地元の代表をみんなで応援するのが高校野球だと思う。大人の論理でビジネス化した高校野球。同じことはオリンピックでも言える。参加することに意義があるアマチュアスポーツの祭典から、オリンピックビジネスへと大きく変化した。

ビジネス化した高校野球の「うま味」を逃がさないためには、何が何でも出場辞退はできない。砂糖に群がるアリのようなものだろう。

(記者:ニュースマン)

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