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2008年08月08日(金) 23時31分

<北京五輪>四川大地震の被災者、仮設住宅でテレビ見つめ毎日新聞

 【都江堰(中国四川省)大塚卓也】北京五輪が開幕した8日夜、四川大地震の被災地では、多くの被災民が仮設住宅などに設置されたテレビで開会式の模様を見守った。

 校舎が倒壊しほとんどの生徒が犠牲になった中で、奇跡的に生き延びた聚源中学2年の師瑶さん(15)は、学校前にある食堂のテレビで開会式を見つめた。多くの同級生と過ごすはずだったこの日を、親類(23)と2人で迎えたことに「もちろん寂しい」と言いながら「中国は偉大。中国人なら感動せずにはいられない」と気丈に語った。

 一方、都江堰の仮設住宅「翔風橋社区」では、家庭にテレビのない被災者のために市政府が多目的ホールに大型テレビ2台を置いた特設会場で開幕を祝うイベントを実施。中国国旗を持った住民が「中国必勝」「四川省がんばれ」と声援を送った。

 しかし、地元の共産党幹部が被災民の様子を視察するために現場を訪れたことから、イベントを仕切る市政府の民生部門と警備を担当する公安局の間で対応の違いが生じ、現場を訪れた多くの被災者やメディアが会場に入れない事態になった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080808-00000162-mai-spo