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2008年08月08日(金) 12時19分

北京の警備と交通案内は粗だらけオーマイニュース

 全財産をはたいて北京にマンションを借りた記者は、北京到着の翌日にチャリンコで貧民街を疾走。3日目はオリンピックのマラソンコースの一部をチャリンコで実際に走ってみた。今回は、北京の公共交通機関のセキュリティや案内表示などについてリポートする。

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■空港警備は意外と大雑把

 中国に入国する前、日本では北京の警備の物々しさを伝える報道をいくつか目にした。メディア関係者からは、こんな話も聞いた。

 「先日、北京に入った新聞関係者が報道ビザを持っているにもかかわらず、持ち込み機材の検査と称して北京の空港で1時間も足止めされた」

 いったいどんな厳しい荷物チェックが待ち受けているのだろうかと記者はワクワクしていたのだが、実際には北京の警備はゆるゆるだった。

 北京首都国際空港では、入国手続きを済ませて外に出る際、X線を使った荷物チェックがあった。実は記者は、違法ではないが用途を問い詰められるとちょっと困るブツを所持していた。取材用のカメラ機材やパソコン、バッテリーやケーブルも大量に持っている。

 しかしX検査機を通しても、所持品について何か尋ねられることは一切なくスルー。

 それ以前に、北京首都国際空港では、預けた荷物の受け取りに必要なクレームタグ(引き換え券)すら確認していない。これでは、他人の荷物が盗まれようが、すり替えられようが、わからないではないか。中国の空港は、自国の安全も客の荷物の安全も、さほど本気で守る気はないようだ。(もっとも、クレームタグは自分の確認用、荷物が見当たらなくなったときの届出用であって、空港の人がイチイチ確認するためのものではない、との説もあるが……)

■地下鉄の荷物検査はただのポーズ?

 北京市内の地下鉄では、バッグなどを持った客は改札を通る前にX線で荷物検査を受ける。前回登場したフリー記者のM氏と飲んだ帰り、地下鉄の改札を通ろうとした。そのとき、検査所の係がM氏に中国語で何か話しかけた。しかしM氏は、何も聞こえなかったかのように無視して改札を通って行ってしまった。

 「な? 聞こえないふりして通り過ぎちゃっても、追いかけてこないだろ? セキュリティチェックなんてポーズだけで、本気でやる気なんかないんだよ」(M氏)

 記者が少し郊外よりの地下鉄駅に行った際、入場時にX検査を受けたが、検査係の中国人は、モニターを見もせず、遠い眼でぼんやりしている。オリンピックのメインスタジアム周辺にミサイルまで配備する国が、地下鉄ではこの体たらくなのだ。

■地下鉄案内が間違いだらけ

 空港から市街に移動する際、地下鉄の乗り換え時に、はたと困った。

 空港から出ている首都空港子軌道線から、三元橋駅で地下鉄に乗り換えなければならなかった。ところが、空港で配布されていた地図の地下鉄路線図に三元橋駅が載っていないのだ。

 理由は不明だが、地図の駅名が間違っているか、最近になって駅名が変更されたようだ。

 ほかにも空港で配布されていた路線図の駅名と実際の駅名が異なる駅があった。おかげで、地元民から四川料理の有名店とその最寄り駅の名を教えてもらったのに、その駅が地図で見当たらずに困ってしまった。

 路線図と実際の駅名が違うのは、北京の地下鉄10号線。つい1週間ほど前に開通したばかりだという。そのせいか、たとえば地下鉄2号線に乗っていると、車内に掲示されている乗り換え案内図に10号線が表示されていない車両もある。

 どうやら、地下鉄開通が五輪開会直前になりすぎたために、混乱が生じているようだ。地下鉄の開通だけ間に合えばいいというものではないだろうに。

(記者:藤倉 善郎)

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