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2008年08月08日(金) 10時00分

<グルジア>軍が州都を包囲、砲撃開始毎日新聞

 【モスクワ大木俊治】インタファクス通信などによると、グルジア軍は8日未明、分離独立を求める南オセチア自治州の州都ツヒンバリを包囲し、地上からのミサイル攻撃のほか、空爆も開始した。

 ロシアのテレビ局は、現地の特派員電で少なくとも15人が死亡したと伝えた。90年代の紛争が再燃し、現地に駐留するロシア平和維持軍を巻き込んだ本格的戦闘につながる恐れも出ている。

 国連安保理はこの問題に対応するため、緊急会合を開くことで合意した。

 グルジア軍の司令官は8日、グルジアのテレビを通じ「われわれが一方的に停戦したにもかかわらず、独立派が攻撃を継続した。憲法秩序回復のため攻撃に踏み切った」と説明した。

 グルジアのサーカシビリ大統領は7日夜、国民向けテレビ演説で独立派政府に「グルジア領内での最大限の自治」を提案し、ロシアに「保証人」となるよう求めていた。

 双方の支配地域の境界地帯では今月初め、グルジア側の狙撃手による銃撃で独立派の6人が死亡したことで緊張が高まり、6日に交戦状態に陥った。

 ◇ことば 南オセチア自治州

 グルジア領だが、90年末にロシア領北オセチア自治共和国への編入を求めたことから、紛争に発展。92年にグルジア、ロシア間で和平合意した後も断続的に衝突が続く。今年2月のコソボ独立宣言に触発された形で、再びグルジアからの分離独立を求める動きが活発化。北大西洋条約機構(NATO)加盟を目指すグルジアのサーカシビリ政権は、独立を認めていない。

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