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2008年08月07日(木) 18時25分

エルピーダ4—6月期は156億円の営業赤字、DRAM価格が低迷ロイター

 [東京 7日 ロイター] エルピーダメモリ<6665.T>は7日、2008年4—6月営業損益が156億円の赤字になったと発表した。前年同期は37億円の黒字だった。DRAM価格の低迷で、四半期ベースで07年10—12月期から3期連続の赤字となった。
 生産性の向上やPC向けDRAMの値上げなどがあったが、DRAMのスポット市況が想定通りに改善しなかった。会見した安達隆郎・取締役執行役員は4─6月業績について「1—3月期がボトムで改善傾向にあるが、残念ながら赤字になった」と述べた。08年1—3月期は259億円の営業赤字だった。
 安達執行役員は「もう少し(DRAMの)価格が上がってくれれば四半期でブレークイーブン(収支均衡)になった。6月はほとんどブレークイーブンだった。4─5月がおぼつかなかった」と語った。
 売上高は前年同期比横ばいの1092億円、経常損益は154億円の赤字(前年同期は37億円の黒字)、当期損益は138億円の赤字(同146億円の黒字)だった。
 出荷メモリーの総容量の伸び率を表すビット成長率は、4—6月期が26%で、期初予想の15—20%を上回った。生産性の向上などが寄与した。ただ、7—9月期のビット成長率予想は、レックスチップや広島工場がフル生産になっているとし10%前後にとどめた。
 期初想定に比べ生産性が向上していることなどを織り込み、09年3月期のビット成長率予想は80─90%に上方修正した。従来予想は約70%だった。安達執行役員は、足元で「需要は堅調」との認識を示した。ただ「PCメーカーの在庫量などを見ると、旺盛な需要が出てくるまでにはもう少し時間がかかるだろう。あまり楽観視していない」とした。
 09年3月期の設備投資計画は1200億円に増額(従来予想は約1000億円)。台湾の力晶半導体<5346.TWO>との合弁で持分法適用会社の瑞晶電子(レックスチップ)への約200億円や広島工場の先端設備への投資計画の増加分を積み上げた。
 2009年3月期の営業損益予想は公表していないが、ロイターエスティメーツによる主要アナリスト17人の予測平均値は91億円の黒字となっている。
 (ロイター日本語ニュース、平田紀之)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080807-00000294-reu-bus_all