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2008年08月07日(木) 18時27分

広島市長 「核廃絶に耳傾ける米新大統領誕生を期待」オーマイニュース

 原爆投下から63年目の8月6日、広島市中区の平和記念公園では午前8時から「原爆死没者慰霊式・平和記念式典」(平和記念式典)が執り行われた。公園では、早朝から大勢の被爆者や遺族らが献花し、被爆者の冥福を祈る姿があった。

 式典には約4万5000人が出席。原爆が投下された午前8時15分の「平和の鐘」が鳴ると、参列者は1分間の黙祷(もくとう)をささげた。

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 秋葉忠利市長は平和宣言で「原爆の影響は長年にわたり過小評価され、いまだに被害の全貌(ぜんぼう)は解明されていない」と指摘。中でも「心の傷は深刻」だとして、市が原爆体験の精神的影響などについて、科学的な調査を行うことを明らかにした。

 また、「米国の核政策の中枢を担ってきた指導者たちでさえ、核兵器のない世界を繰り返し求めるまでになった」と米国内での核廃絶論が主流になったことを示唆し、「今年11月には、人類の製造を最優先する多数派の声に耳を傾ける米国新大統領の誕生を」と米大統領選への期待感を表明した。

 就任後初参列となる、福田康夫首相は「わが国は『平和協力国家』として、国際社会において責任ある役割を果たしていかなくてはならない。今後も非核三原則を堅持し、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向けて、国際社会の先頭に立っていく」と挨拶。

 こども代表の、今井穂花さん(広島市立幟町小学校6年)と、本堂壮太くん(広島市立吉島東小学校6年)は「事実を知る人がいなくなれば、また同じ過ちが繰り返される。私たちは、ヒロシマでの事実をたくさんの人に伝えていく」と「平和への誓い」を読み上げた。

 ほかにも、藤田雄山県知事が挨拶し、国際連合の潘基文事務総長のメッセージをセルジオ・ドアルテ軍縮担当上級代表が代読した。各国来賓は過去最多の55カ国で、核兵器保有国からもロシア参事官や中国の駐大阪領事が初参列した。

(記者:山本 宏樹)

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