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2008年08月07日(木) 16時37分

全財産はたいて北京に住んでみた(3)オーマイニュース

 北京の高級マンションを借り、全財産はたいて北京に住んでみた記者。北京到着から3日目の8月3日に、オリンピックのマラソンコースをチャリンコで走ってみた。

■走破する気がないなんちゃって取材

 PJニュース編集長・小田光康さんと、彼の知人のスポーツ記者・Mさんも加わって、3人で天安門広場をスタートした。

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 「小田さんと藤倉さんは、市街の南側をもう自転車で走ったわけだから、南側のコースははしょりましょう。天安門より北側部分のコースを走るということで」(Mさん)

 この取材のためにわざわざ400元で新品自転車を調達したMさんだが、スタート前から全コース走破を断念。午後2時半、なんちゃってマラソンコース取材が始まった。

■とにかく暑い!

 翌日に通訳から聞いたところでは、この日の最高気温は35度にもなったという。湿度はあまり高くないようで日陰に入るだけでかなり涼しいが、だだっ広い北京の道路では日差しが容赦なく降り注ぐ。少し走っただけで汗だくだ。

 天安門前を西へ3キロメートルほど進んでから右折して北上。その後、左折して、再び3キロほど西へ走ってから右折し、北京大学へ向けてしばらく北上する。起伏がほとんどない道路だが、日差しの強さと気温の高さのせいで、かなり体力を消耗する。

 途中、売店に立ち寄っては水分を補給する。マラソンコースのうち半分も走っていないのだが、それでも3〜4本のペットボトルを空けた。

 北京では、同じ飲料でも買う場所によって値段が違うが、コカ・コーラ製の500ミリリットルのドリンクが2〜4元(30〜60円)だ。

■交通マナーは最悪

 マラソン選手にとっては無関係だろうが、北京の交通マナーは最悪だ。歩行者や自転車も、基本的に信号を守らない。記者たちも、よせばいいのに“郷に入っては郷に従え”とばかりに信号無視を連発。

 北京の車道は右側通行で、信号が赤の交差点でも右折はOKというルールらしい。そのため、青信号で自転車が横断していても、右側から右折車が平気で突っ込んでくる。それに自転車や歩行者の信号無視が加わって、交差点はどこもぐちゃぐちゃだ。

 しかも、中国人は車の運転にメリハリがない。目の前を自転車や歩行者が横切っていても、車は、スピードを上げるでもなく緩めるでもでもなく、漫然と突っ込んでくる。

 自転車に乗っているこちらは、止まるべきか車の前を横切るべきか、判断に迷う。

 車道の右端が自転車用レーンになっているが、バスが沿道のバス停に止まるためにひっきりなしに自転車用レーンを横切る。そんなとき自転車はバスの左側(車道側)に避けて進むが、自転車がいるのがわかっていても、バスはおかまいなしに発進しようとする。小田さんがバスと接触しそうになったが、バスはそれでもスピードを緩めなかった。

 「おいおいおいおい!」

 バスに向かってそう叫び、小田さんは必死にスピードを上げ、バスの前に出て接触を回避した。

■ちょっと喉がいがらっぽいような……(笑)

 途中、一度だけ道を間違えたものの、無事、北京大学に到着。すぐ隣の精華大学の構内を通り抜けた。木々が茂り、暑い日差しからやっと解放されるポイントだ。構内を抜けた後、マラソンのコースは一度南へ向かう。それから5キロほど東に進んでから、ゴール地点のメインスタジアム「鳥の巣」へと北上していく。

 「南下してから北上するのって、無駄じゃね? このまままっすぐ『鳥の巣』に向かおうよ」(Mさん)

 ひよったMさんの提案に、小田さんも記者も大賛成。あっさり「鳥の巣」に到着した。

 「コースを実走した感想は、どうでしたか?」(Mさん)

と、取材モードのMさん。小田さんがこう答える。

 「アメリカのコースと違って、道には排水用の傾斜がなく、地形の起伏も少ない。けっこう走りやすいんじゃない? 終盤の精華大学構内の道が狭いとか言ってるヤツもいるけど、問題ない程度の幅はあった」

Mさん「藤倉さんはどうでしたか?」

小田さん「ほらほら、Mさん、なんか言わせようっていう取材の仕方だよ」

記者「ああ、ちょっと喉(のど)がいがらっぽいような……(笑)」

 実際には、喉が渇いていただけだろう。汚染がひどいと言われる北京だが、20キロ近くを汗だくになって自転車をこいでいても、特に汚染は気にならなかった。ただ、暑かった。

(記者:藤倉 善郎)

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