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2008年08月06日(水) 08時26分

ビール類販売計画 サントリー除く3社が下方修正 値上げで明暗フジサンケイ ビジネスアイ

 ビール大手4社の2008年6月中間決算が5日出そろい、サントリーを除く3社がビール類の08年の通期販売計画を下方修正した。修正したアサヒビール、キリンビール、サッポロビールは当初計画の段階で前年実績を下回る異例のマイナス計画を立てたが、値上げによる消費者離れで上期(1〜6月)の販売が予想以上に落ち込んだ。これに対し、家庭用の缶製品の値上げを9月に先送りしたサントリーは順調に販売を伸ばし、明暗を分けた。

 修正幅はアサヒが200万ケース(1ケース=大瓶20本入り換算)、キリンが390万ケース、サッポロが250万ケースで、合計840万ケースに上る。

 上期の販売実績は筆頭に3社とも減少幅が当初計画の見込みを大幅に上回った。2月のキリンを皮切りに3社が順次値上げを実施。低価格の第3のビールに需要が集中し、価格の高いビールと割安感が薄れた発泡酒が大きく落ち込んだ。

 このため、修正計画ではアサヒは強みのビールは据え置いたが、発泡酒を当初計画比10・7%減に引き下げた。キリンはビールを同4・8%減、サッポロもビールを同6・4%減に修正。なかでも、サッポロは「付加価値の高いビールは厳しい」(寺坂史郎専務)として主力の高価格ビールのヱビスを同9・0%減にまで下げた。

 一方、サントリーは店頭での他社との価格差を武器に上期の販売実績を前年同期比8・7%増と伸ばし、初めてシェアでサッポロを抜き3位に浮上した。9月には缶商品の値上げを控えるが、「影響はない」(千地耕造取締役)と強気だ。

 7月は猛暑効果で、ビールの販売が大幅なプラスとなっており、「下期は当初計画通り」(アサヒビールの小路明善常務)と期待する。ただ、上期の落ち込みを挽回(ばんかい)できないうえ、消費者の節約志向は一段と強まっており、先行きも不透明だ。業界では市場全体の需要を2%減と予想していたが、「5%減にまで落ち込む危険性もある」(サッポロ寺坂専務)との声も出ている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080806-00000002-fsi-bus_all