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2008年08月06日(水) 18時47分

今度は国民がサプライズを起こす番だオーマイニュース

 政治スケジュール、入閣予想者で政治評論家や政治部記者の大方の予想を覆す、逆に言えばサプライズな組閣ではなかったか。

 組閣後の記者会見で福田さんは、「消費税なくして財政再建はないし、安心できる社会保障制度も成り立たない」と言ったが、財政再建ではまず支出を抑制やムダの排除からすべきであるが、何やら上げ潮派が脇にやられて官僚の言いなりの増税派が勢いを増してきた。

 新財務大臣の伊吹さんは「負担のないマニフェストは出せない」と言い、幹事長になった麻生さんを初め、消費税10%論者が多い。税は最高の意思決定で、財源は安定的に確保すべきだとも言う。

 官僚にムダの摘出をさせても、なかなか実績が出てこない。数10億円程度のムダの排除でお茶を濁されても困る。国民が思っているけたが違うのだ。ここは300兆円を超える特別会計で1〜2%の予算カットをすべきである。

 新幹事長の麻生さんは「抱えている問題を、スピード感を持ってやっていく」と言うが、5つの安心プランだって具体性に欠け、その財源をどうするのか国民は疑問を持っている。先の国会で民主党が政策の対案を出したとき、その財源をどうするのかと罵倒(ばとう)していた自民党が財源をどう考えているのか。

 福田さんは、具体的な政策について説明が不十分であると言われている。選挙が近いためか、政策に具体性がないためか、説得に自信がないためか国民に耳障りな政策は「先送り」になっている。これではスピード感を持ってやっていくと言われても信用できない。

 今回の旧態然とした組閣、人事を見て自民党は本質的には壊れていない。何ら変わっていないことに一種の安堵(あんど)感も出てくる。もし本当に変わってきているのであれば政権交代選択に迷いが出てくる。

 一方で、小泉政権、安倍政権時代は何であったのか。無党派層が熱狂的に応援した小泉改革も格差社会の拡大を生じ、日本の伝統である良い慣習もぶち壊し格差社会が顕在化してきたが、打つ手はない。改革の見直しも課題になっているが、一度壊れた制度を修復するのはたやすいものではない。

 消費行政担当大臣になった野田さんは「支持率を上げるのではなく、福田ビジョンを遂行するのだ」と言うが、福田政権支持率上昇にどの程度貢献する改造だったのだろうか。福田さん自身が退くことがサプライであり、国民にとって一番良いと思ったのだが……。

 しかし、落胆することはない、私たち国民にも選択のチャンスが近づいている。来年9月までにいやが応でも総選挙がある。今度は国民がサプライズを起こす番だ。

(記者:矢本 真人)

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