記事登録
2008年08月05日(火) 23時31分

ビール販売数量、下方修正相次ぐ サントリーは値上げ先送りで好調産経新聞

 ビール大手4社の平成20年の販売計画が5日、出そろった。値上げによって、販売数量の落ち込みが予想を上回ったため、サントリーを除く3社が当初計画から下方修正した。缶商品の値上げを9月に先送りしたサントリーだけが、売り上げを伸ばしている。

 アサヒビール、キリンビール、サッポロビール3社の修正合計は、840万ケース(1ケース=大びん20本換算)で、昨年の年間出荷数量の1.7%に相当する。
 値上げによって、低価格の第3のビールに消費者の需要が集中したことで、単価の高いビールや発泡酒が影響を受けた。

 キリンはビールの販売数量を期初計画比4.8%減と予想。アサヒは発泡酒を10.7%減とした。サッポロもビールを6.4%減に下方修正した。

 一方、サントリーは店頭での他社との価格差を武器に販売数量を拡大し、独り勝ちの様相だ。9月には缶商品の値上げに踏み切るが「値上げによる影響はない」(千地耕造取締役)とし、年初計画を達成する強気の姿勢を崩していない。

 7月は猛暑の影響で、ビールの販売が前年同月を大きく上回っていることもあり、「下期は年初計画通り」(アサヒの小路明善常務)というが、値上げした3社は上期の不振をカバーしきれない。

 また、同日でそろった平成20年6月中間連結決算は、各社販売促進費などの削減により、4社そろって最終増益となった。売上高はアサヒとサッポロホールディングスが減収だった。

【関連記事】
定番&季節商品の90種類…東京駅・駅弁“最新事情”
サントリー、ビール事業の黒字射程圏内か 中間決算で売上過去最高
英国で日本のビールが躍進 新しもの好きに人気
安さ+飲み応えが魅力 麦芽系第3のビール 各社、相次ぎ新製品
キリン、若者向け第3のビール「スムース」発表

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080805-00000984-san-ind