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2008年08月05日(火) 15時45分

年率220万%超のインフレに混乱するジンバブエで、一晩の食事で60万円の請求を受けた日本人MONEYzine

 年率220万%を超すインフレに混乱するジンバブエ。同国中央銀行はインフレの対応措置として、先月30日、通貨ジンバブエ・ドルの単位を100億分の1に切り下げるデノミネーション(通貨単位の切り下げ)を8月1日から実施すると発表した。この措置により、100億ジンバブエドルが1ジンバブエドルとなるが、はたして混乱は解消されるか。

 日本で生活していたら、考えられないような事態が今、アフリカ南部のジンバブエで発生している。世界で最もインフレが激しいといわれる同国では、2008年5月に1億と2億5000万の額面のジンバブエ・ドル札が発行された後も、50億、250億、500億ドル札の発行と続き、7月には1000億ドル札の発行が行われ、第二次世界大戦後世界最悪とも言われるインフレーションが発生している。数年前まで価値があったお札はたとえ道に落ちていても、今や物乞いさえ拾わないという。

 インフレのそもそもの原因は、長期強権政治が続くムガベ大統領が、2000年に白人所有大農場の強制収用を政策化したことによって始まった。白人の多くは国外脱出を図ったことから、国内の農業技術は低下し、食糧危機が発生、食品の国内物価が上昇し、インフレが発生したのだ。こうした経済混乱に、同大統領による長期政権・一党支配に対する不満とあいまって治安の悪化も問題となっている。

 もしあなたが同国に訪れる機会があるのならば、クレジットカードの利用には注意が必要だ。支払い日までに通貨の価値がどんどん下がっていってしまうからだ。ある日本人が一晩だけ、夕食をカードで支払ったところ、後でカード会社から60万円近くの請求を受けたという話もあるほどだ。海外旅行や出張へ行く予定がある人はぜひ現金を利用したい。

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