記事登録
2008年08月05日(火) 00時30分

想定超える負荷で停止、逆走か エスカレーター事故中国新聞

 東京都江東区の東京国際展示場(東京ビッグサイト)の上りエスカレーターが停止、逆走し十人が負傷した事故で、ステップのほとんどに三人以上がすし詰め状態で乗っていたことが四日、警視庁東京湾岸署などの調べで分かった。

 エスカレーターは一段に大人一人か二人が乗ることを想定して造られていたが、同署は想定を超える負荷がかかり停止、ブレーキをかけた状態で後ろに下がった可能性が高いとみて詳しい事故原因を調べている。

 事故機を製造した日本オーチス・エレベータ(東京)によると、事故機のステップは七十八段あり建築基準法の安全基準で計算すると、総重量約七・五トンの荷重がかかっても運行できる。体重六十五キロの大人で計算すると約百十五人分となる。

 当初、エスカレーターには約百二十人が乗っていたとされたが、実際には各ステップの多くに三人以上が乗っており、基準を大きく超える荷重がかかったとみられる。

 同社の説明では、エスカレーターに乗っている人が増えると、モーターの負荷が高まり減速し始める。停止してしまうと異常を検知する安全装置が働き電源を切断、ブレーキがかかる。

 このブレーキは総重量約九・三トンまでは耐えられる設計だが、それを超えると、ブレーキがかかった状態でエスカレーターが後ろに下がっていく可能性があるという。

 同社は事故機の保守、点検も担当。直近の七月二十九日の点検では、ステップをつなぐチェーンに油を差しただけで、非常停止ボタンや制御盤、モーター、ブレーキなど二十四項目はいずれも異常がないとしていた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200808050066.html